彼女がボリビアにやってきた D
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写真 : コチャバンバのシンボル、キリスト像へ登る彼女
8月7日。
午前中、軽く小さな山をトレッキングした。
連日連夜酒を飲んでいたので山を登っている途中から体調が悪くなってしまった。
頂上のキリスト像までは何とか行けたが、途中何度も休み彼女の肩を借りながら山を下りた。
家に戻りしばらく休憩したら体調はかなり回復した。
この日の夕飯は他の隊員も呼んでチチャというボリビアの酒を飲みに行った。
トウモロコシのチチャや、それをアイスクリームで割ったもの、ブドウのチチャを飲みながら
ステーキの鉄板焼きをツマミにしての食事であった。
途中からレストランはダンスホールへと変わり、みんなが踊り始めた。
俺と同じコチャバンバの協力隊の香奈ちゃんが、ボリビアの踊りを披露しようとダンスの列に加わ
って踊っていると、いつの間にかその横に彼女がボリビア人に誘われて踊りに参加していた。
ボリビアでは日本と違い誰とでも気軽に踊る習慣があり子供から老人まで一緒になって踊る。
こんな環境の中だと恥ずかしがり屋の彼女も踊れるようだった。
夜中12時頃、スペインギターを演奏するバーへ行った。
素晴らしい演奏に周囲は酔っていた。
俺もここはスペインではないかと思うぐらいに演奏に聞き惚れてしまった。
しかし横を見ると彼女は睡魔と闘ってウトウトしていた。
彼女に夜中にじっと座って音楽鑑賞はやはり無理だったと、少々反省し早々とバーを出て家に戻った。
8月8日
午前中に市場を案内した。
肉売り場の前の露骨な牛の頭、足、舌、肉から発せられる異臭には、さすがに彼女は苦しんでいた。
香辛料が安く買えるのでお土産に買い込んだ。
この日の昼食は今住んでいるコチャバンバという町でホームステーしていた家族の家を訪ねた。
本当は昼食のメニューはネズミ料理を頼んでおいたのが、この家族のお母さんの親が急きょ病気
になってしまい、家族がドタバタしていたために普通の鶏肉料理になった。
夕方には2500mの町コチャバンバから4000m町のラパスに向けて移動するためにバスに乗った。
約7時間後、夜のラパスの町に着き宿にチェックインした。
陸路で徐々に上がったので彼女は何とか急性高山病にはならずに済んだようだった。