今夜のBattleは、横浜の走り屋達の間では、それなりに注目を集めているようだ。 横浜スタジアム周辺を爆走する藤沢にも、ギャラリーが付いていたし。
まだ大分時間があるので、一度本牧埠頭に顔を出そうとする翔。 そんな事している暇はないというのに…どうせ偵察なんて事は考えていないのであろうが。
沢木「おう!準備はできてるんか!」
相変わらず、妙なハイテンションで迎えてくれる沢木。 沢木と言えば…ふふふ…聞いたぞ、あの話を。 お前、中華街のど真ん中でドラッグレースをやっている、殺人集団元町Queen’s の三原葉子に熱烈アタックをかけているそうではないか。 バイト先のJHONNY’Sから上がるのを、毎晩待ち伏せしているとか。 「オレが最速伝説になってヨウコを迎えに行く」…か。 最速になったからって将来が約束されるわけじゃないんだが…若いってのはいいもんじゃのう。
10連勝したらデートをしてもらうという約束を取り付け、今夜勝てばその10連勝目… …それで翔を選んだんだな、この野郎。 舐めやがって…こうなったら三原葉子に頼まれた通り、思い切り負かしてやろうじゃんか。 葉子も内心ではまんざらでもなさそうだったが、ここは非情に徹してやる。
辻本「決戦前の慣らしならいつでも付き合うゼ」
沢木「HONMOKUは、オレたちのHOME COURSEだからな! ちょっとだけゆっくり走ってやる!!」
…こうまでコケにされた上、負けたんじゃあ話にならん。 絶対勝つぜ!と意気込む我々であったが…
沢木「辻本!コーナーリングはバランスが全てじゃねえぞ!!」
辻本「なんだ……沢木」
沢木「コーナーの秘訣は3つのkだ!」
辻本「3つのk……?」
沢木「おうよ!!3つのk!!!! 気合!気合!!気合!!!それでALL Right!!」
辻本「・・・・・・・・・・・・」
沢木「おうら、いくぜ!今夜もぶっ飛ばす!」
…疑って悪かったよ沢木。キミは策を弄するような男じゃない。 根拠はないがそんな気がするのさ…。
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