2ndNight
RevengeRace


-4-



さて、そんな事をしている内に、決戦の時が来た。
ベイラグーン埠頭に行かなくてはならない。ちなみに難波はバイトが忙しくて遅れるそうだ。
やっぱり。

ちょっと時間オーバーを気にしつつ、ベイラグーン埠頭に到着。もう既にみんな集まっているみたいだ。
今日は藤沢の同棲相手である川志摩葵という女もギャラリーとして来ていた。
うーむ、川志摩葵…どう見ても藤沢とは釣り合わないような、オトナの女だ。
同棲……まさかヒモ!?
こ…これは怪しい。大体一晩中遊び歩いていて、昼間まともな仕事をしているわけがない。
そのくせあんな高級マンションに住んで、金に困っている様子はない。
当たらずとも遠からず…か。ふと、難馬が可哀想だと思う私であった。

葵は氷川丸の所で翔と話していたが、何故か前から知っているような態度を取る。
あの謎めいた態度…なんだかちょっと気になるなぁ、彼女は。





辻本「今回の事はすまなかった。全て、俺の責任だ。2度と起きないようにする」

謝るのはいいが、石川兄弟を警察に突き出す方が先なんじゃないか?
あれは立派な犯罪に違いないと思うんだが…。

藤沢「それは済んだ話だ。言い訳を聞きに来たんじゃない」

沢木「おう! オレ達にはオレ達なりの解決手段があるよな!それがK・T・H!」

…いつから走り屋が治外法権を持てるようになったんだろうか。
大体、K・T・Hってなんだ。

沢木清き正しき走り屋道ってもんだ!」





いや、悪かった、心置きなくK・T・Hを貫いてくれ。

辻本「勝負は一度きり。俺と藤沢のTAIMAN−BATTLE……
どっちが勝っても、チームとして結果は真摯に受け止める」


沢木「恨みっこなし!走りが全て!それがオレ達のやり方! おう赤碕!オレ達が前哨戦だ!
ただのエキシビジョンレースだと思うな!お前に本当の走りってもんを教えてやる!」
(!×7)

藤沢(………)

辻本(…恥ずかしい奴だゼ…)

(…うるせえ野郎だ…)


あ、今三人の心の声が聞こえたような気がしたぞ。

「なぜ俺を対戦相手に選んだ……?」

沢木「お前は走りをわかってねえ!見込みあるのによう!」

しつもーん!「走り」っていうのは、みっつのKとか、K・T・Hとかの事でしょうか?
それならば、既に十分過ぎるほどわかってはおりますが…
残念ながら凡人には到達不可能な境地ですので、あまり期待してもらっても困ります。


さて、いよいよ沢木との決戦なわけだが、今私のノーズには、3.8リッターOHVが収まっている。
沢木とのバトルに備えて、翔がアメ車から強奪したものだ。
クソ重いし今時OHVだが、30kgを軽く超えるトルクは大きな武器だ。
Eco…?そんな言葉は知らないさ…。


…そしてレースは始まった。
流石はアメ車の心臓。軽ワゴンのシャシーでも直線で難なく200km/hを超える。
でも、それは重心が高いので危険だと思う。エルクテストもクリアできまい。
まあ速い事は速い。沢木のSil-14をスタートダッシュで置き去りにし、そのまま差を広げる。
そのまま2週目に入り、しばらくして…

辻本「沢木ーーーーーー!!! なにやってんだああああ!!!」

辻本の悲痛な叫びが響く。

…沢木のSil−14は燃えていた。突然前輪がロックし、そのままコントロールを失って…

藤沢「辻本ーーーー!離れろ!危険だ!! おい!誰か!!救急車!!」
辻本「畜生!! 馬鹿野郎!! 大馬鹿野郎……!!」


大丈夫だ辻本!沢木は死んだりはしないぞ!
デートもせずに死ねまい。



思わぬ形で組まれたこのバトルは、思わぬ形でその幕を閉じたのであった。


The Night is COMPLETED




Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!