4thNight
StarFallNight


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BLRのチーム走行会。翔に言わせると馴れ合いだそうだ。
まったく…なんでそういう見方をするかな、この男は。
ただ、翔が天狗になる気持ちもわからなくはない。今の私のスペックは以下の通り。

エンジン

3000A(Lv5)
343.8ps/4500
59.0kg/4000

シャーシ

Wagon660-4 (Lv6)

ボディ

ColoColo(Lv7)

PWR

2.9kg


う〜ん、PWRだけ見たら、ポルシェGT3より上なのか。
我ながら凄すぎると思う。シャーシとエンジンのバランスが滅茶苦茶だが…。

それでも走行会は翔の圧勝に終わった。
こんなわけのわからんクルマにチギられた、藤沢の心境やいかに。
本番でなくて良かったね。
しかし自惚れるなよ、翔。
貴様の実力ではない。クルマの性能のおかげだという事を忘れるな。





横浜GPの予選出場を決める代表決定戦は、明日の夜という事になった。
それまでは好きに過ごしてもいいのだが、翔はどうする気なんだろうか。
他の連中は既に行ってしまったが…


と、急に目の前でクラクションを鳴らされた。やかましい!って…

87式自走高射機関砲

しかも4両も。翔、お前…自衛隊に何をした?
まさか、九〇式戦車とBattleして120o砲を奪ったとか…
ああっ、ラインメタル製35o機関砲で蜂の巣…イヤだぁ!
…ん?よく見ると高射機関砲に見えたのは、天に向かってそそり立つマフラーであった。
ええと…俗に言う竹ヤリである。
後ろにそれがあるなら、前には当然お好み焼きのヘラ
…によく似たチンスポイラー。まるで除雪車だ。
当然車高は、路面から十円玉一枚分くらいしか浮いていない。
立体駐車場はおろか、ファミレスの段差も命取りだ。
サスの硬さも硬度9(セラミックス、ルビー並)はあるだろう。
レッド・データ・ブックものである。
関東北部
に僅かに生息するのみと思っていたが、横浜にもいたのか…。

「てめえ、ひとりかっつ〜の!」

「オレラ、桜木町GT From NothYKだッ!夜露死苦!!

「ウオッス!漢字違うッス!副総長!!」

「ナヌッ!……とにかくスジは通したッ!! 娑婆羅!!

…あの、スイマセン、次からは日本語使って下さい。

しかし、翔はどこをどう理解したのか、今の会話を挑戦と受け取ったらしい。
言葉がなくとも、人はわかり合えるんですね?
そうか…走り屋こそが人類の革新だったのか。


経緯はともかく、翔は桜木町に行くつもりのようだ。
で、その前にパーツ狩りをするのだな、例によって。
お前…500万以上も持ってるんだから、店で買えよ。
店にあるのはゴミみたいな物ばかりだと言えばそれまでだが…





夜の横浜に繰り出してすぐ、沢木が事故ったコーナーの近くに、妙な物体が停まっているのを発見。
げっ、やつは桜木町GTの一員じゃないか。なんでここにいる?

「おっ……?あんた、さっきの…………」

げっ、見付かった!

「ちょうどいいや……ちょっと話し相手になってくれよ」

私は逃げたくてたまらないのだが、話を聞いてやる翔。…案外付き合いいいな。

そいつの話は、父親がここの工事に携わっていたのだが、不審な事故で死んでしまったという思い出話だった。
そういえばこのタワーの建設が中断された原因として、そんな噂を聞いたような…

…で、そうこうしているうちに、何故かそいつと走る事になってしまった。どういう展開だ。
当然負けるわけはないのだが、奪ったエアロパーツ(マフラー込み)…
どうすんだよこんなの。

その時、翔の目が、なんとなく怪しい光を放っているのに、私は気が付いた。
ん?……まさか翔、お前…
…こら、来るな、近寄るんじゃない!



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