4thNight
StarFallNight


-4-



フン、日本語もまともに喋れぬ連中に負けるほど、落ちぶれちゃいな…
…すまん、翔、お前もだったな。

「おメえ、どこのもんじゃ?」

何とも言いようのないファッションに身を固めた男が、意味もなくドスを効かせた声で問い掛ける。
えと…藤沢組とでも言っとけばいいんでしょうか?

「BLRの赤碕だ。そういうあんたは?」

「ワハハ、桜木町GT総長・川崎鉄史じゃ」

…総長?ま、まあいいか。
それで、戦った後には友情が芽生える…というのは、実はありがちな事らしい。
今回のゼロヨンで、なぜか桜木町GTのリーダー、川崎は翔を認めたみたいだ。
結局速さが価値観の基準なんだな、こいつら。

川崎「なかなかやるのぅ。藤沢によろしゅうナ! こいつはご祝儀がわりじゃ。とっとけ」

そう言って川崎がくれたのは…『爆音マフラー KAMINARI』であった。

誰がいるか、こんなの!





桜木町GTと熱い友情(?)を交わした後は、Noth YKの散策だ。こっちはランドマークタワーやナンパシケインなど、それなりに見所も多い。
ナンパシケインといえば、何故か健三がナンパに励んでいた。
いや、それはいいのだが…クルマをナンパに使うという行為が異常な光景に見えるのは、どっちの問題だろうか?
病んできてるのかな、私も…


それはそれとして、高島臨海桟橋が、高島VRの本拠地である。
本当はここでの元町Queen’sと高島VICTRY ROAD
通称高島VRの対抗戦を見物に来たはずなのだが、忘れるところだった。

ここで行なわれているのはチキンレースだ。
要するに、全速で走って行って、埠頭の端にどれだけ寄せて止められるか…
度胸を競うという意味でチキン(臆病者)レースと呼ばれている。
クルマの私から見るとキ●ガイ沙汰だが、本人達はいたって真面目なのが困る。


もう終わってしまったかと思ったが、対抗戦はこれからのようだ。

葉子「どーなってんのよ!約束が違うっしょ!フレディーはどこ!?」

おんや?なんかモメているようである。三原葉子が高島VRのメンバーに食ってかかっている。

「さあナ……お前らには知的好奇心がわかないってヨ。
そっちこそ立河唯はいないようだが。なめられたもんだナ」


フレディというのは、アメ車に乗ったニセ外国人風外国人の事か?
ヤツならさっきナンパシケインで…って、これは黙ってた方がいいのかな…。

「……レースはやってないのか?」

ああ…またこいつは間の悪いとこに…

葉子「こらー!ギャラリーは引っ込んでなさい!」

「よう入りたきゃ入りナ。ヒスは気にすんナ」

葉子「なんだってー!」

「……厄介なレースになりそうだ……」


双方のリーダーが共に不在なので、まことにしまらない対抗戦になった。
飛び入りの翔にあっさりと勝ちを拾われてしまうのだから。

秘技、1速50q/hからのフルブレーキングで。
そりゃあ、時速何qで突っ込まにゃならんというルールこそ決まっていないのだから、
考えようによってはルールの隙を突いた、頭脳的プレーと言えるかもしれないが…

・・・ただのチキン野郎だろ、そりゃ。


こうしてNoth Yokohamaの夜は、平和に更けていくのであった…。


The Night is COMPLETED




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