フン、日本語もまともに喋れぬ連中に負けるほど、落ちぶれちゃいな… …すまん、翔、お前もだったな。
?「おメえ、どこのもんじゃ?」
何とも言いようのないファッションに身を固めた男が、意味もなくドスを効かせた声で問い掛ける。 えと…藤沢組とでも言っとけばいいんでしょうか?
翔「BLRの赤碕だ。そういうあんたは?」
?「ワハハ、桜木町GT総長・川崎鉄史じゃ」
…総長?ま、まあいいか。 それで、戦った後には友情が芽生える…というのは、実はありがちな事らしい。 今回のゼロヨンで、なぜか桜木町GTのリーダー、川崎は翔を認めたみたいだ。 結局速さが価値観の基準なんだな、こいつら。
川崎「なかなかやるのぅ。藤沢によろしゅうナ! こいつはご祝儀がわりじゃ。とっとけ」
そう言って川崎がくれたのは…『爆音マフラー KAMINARI』であった。
誰がいるか、こんなの!
桜木町GTと熱い友情(?)を交わした後は、Noth YKの散策だ。こっちはランドマークタワーやナンパシケインなど、それなりに見所も多い。 ナンパシケインといえば、何故か健三がナンパに励んでいた。 いや、それはいいのだが…クルマをナンパに使うという行為が異常な光景に見えるのは、どっちの問題だろうか? 病んできてるのかな、私も…
それはそれとして、高島臨海桟橋が、高島VRの本拠地である。 本当はここでの元町Queen’sと高島VICTRY ROAD… 通称高島VRの対抗戦を見物に来たはずなのだが、忘れるところだった。
ここで行なわれているのはチキンレースだ。 要するに、全速で走って行って、埠頭の端にどれだけ寄せて止められるか… 度胸を競うという意味でチキン(臆病者)レースと呼ばれている。 クルマの私から見るとキ●ガイ沙汰だが、本人達はいたって真面目なのが困る。
もう終わってしまったかと思ったが、対抗戦はこれからのようだ。
葉子「どーなってんのよ!約束が違うっしょ!フレディーはどこ!?」
おんや?なんかモメているようである。三原葉子が高島VRのメンバーに食ってかかっている。
「さあナ……お前らには知的好奇心がわかないってヨ。 そっちこそ立河唯はいないようだが。なめられたもんだナ」
フレディというのは、アメ車に乗ったニセ外国人風外国人の事か? ヤツならさっきナンパシケインで…って、これは黙ってた方がいいのかな…。
翔「……レースはやってないのか?」
ああ…またこいつは間の悪いとこに…
葉子「こらー!ギャラリーは引っ込んでなさい!」
「よう入りたきゃ入りナ。ヒスは気にすんナ」
葉子「なんだってー!」
翔「……厄介なレースになりそうだ……」
双方のリーダーが共に不在なので、まことにしまらない対抗戦になった。 飛び入りの翔にあっさりと勝ちを拾われてしまうのだから。
秘技、1速50q/hからのフルブレーキングで。 そりゃあ、時速何qで突っ込まにゃならんというルールこそ決まっていないのだから、 考えようによってはルールの隙を突いた、頭脳的プレーと言えるかもしれないが…
・・・ただのチキン野郎だろ、そりゃ。
こうしてNoth Yokohamaの夜は、平和に更けていくのであった…。
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