5thNight
ODDS Against


-1-



今夜は、横浜GPのチーム代表決定戦がある。
…が、その前に健三が気になるという話をしていた。
その話とは、難馬が石川兄と密会していたというのだ。
まあ…確かに気にならない事もないが、健三が騒ぐほどのものでもあるまい。
別に石川兄と会ったからといって、悪魔に魂を売ったりダークフォースに染まったりはしなかろう。
RPGじゃあるまいし、気にし過ぎだと思うぞ。
難馬もバイトが忙しくて練習する時間がないという話を、以前翔にした事があるが…
石川兄を頼っても速くはならんぞ。


難馬の事はそれとして、BLRのメンバー達は代表決定戦に向けて、それぞれが思い思いにその時を迎えようとしていた。
ナンパに励む健三に、板金屋に弟子入りした由佳
まあ…こいつらはともかくとして、やはり翔の一番のライバルとなろう難馬。
彼は相変わらずバイトが忙しいらしく、South YKしか走っていないみたいだ。
常識的に考えれば、普通に走れば翔の代表は間違いないところだ。
一方の翔はといえば、やはり石川が気になって仕方がないようだ。…惚れたか?





翔が高島VRのニセ外国人リーダー、フレディと遊んでいる内に、いつの間にか代表決定戦の時間になったようだ。
健三、由佳、藤沢とBLRのメンバーが集まってくる。
…が、難馬の姿はない。
こういう場合、誰より先に集合場所に来ているという話(翔談)だが…。

しばらくして現れた難馬は、やはり見るからに様子がおかしい。
虚ろだが妙に人を寄せ付けない眼の光…

藤沢「準備はいいな? 今夜はただのレースじゃないぜ。 GOAL LINEの先にあるものは
オレたちの夢だ。 横浜GP…確かな結果が付いてくる。 今までは……」


例によって藤沢の長い演説が続く。
…結婚式には呼ばれないタイプだな、こやつは。

藤沢「だがな、シートで感じる空気の密度がいつもと違うならそれが……レースの重みだ。特別なレースの重さ……今夜のようにな……」

この間、翔と難馬の間には、妙な空気が流れていた。
藤沢の演説も全く耳に入っておらず(いつもの事か?)、乾き切った緊張感が二人を支配している。

藤沢「……おそらくな。 人生にチップを賭けるなら今がその時だ。その手につかんでこい……本当のREWARDSを……」

・・・あー、うるせー!


↓ちなみに今の私。

エンジン

5000E (Lv4)
507ps/5000
78.7kg/4000

シャシー

type-33GT(Lv6)

ボディ

TRUCK(Lv2)

PWR

3.47


翔…イヤなヤツだな、お前。




代表決定戦は、あっけなく勝負がついた。
まあ…マシンの性能と…翔の腕が上がった事もあるだろうが…。

難馬のSEVENは、レース終了と同時にエンジンから火を吹いて止まってしまった。
…自殺したか?
まあなあ…仮にもスポーツカーとしては、トラックに負けたら、やっぱ自殺したくなるわな。
難馬の並大抵ではないショックの受け方も、案外そのせいなのかもしれない。


手を抜かずとも、十分に相手のプライドを傷付ける…才能なんだろうか?


The Night is COMPLETED





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