6thNight
NightBefore D


-2-

「オレ達はHIGHWAY最速TEAM、WANGAN GALEの血塗られた三人衆BLOOD REDS

ベイラグーンタワーの前、3台の真紅のSEVEN。そいつらは、こう名乗った。

湾岸最速チーム?血塗られた三人衆?
色んなのが出てくるなァ…。

BLOOD REDS「今夜はリーダーの矢吹に替わってSouth YOKOHAMAの偵察に来てやったってわけだ」

強行偵察か。ご苦労な事だ。
どうでもいいが、そのジェイソンマスクは一体なんだ?ハッタリにしては、クルマでは効果が薄いぞ。
せめてフルスモークをやめなくては。料金所のおじさんを驚かせても仕方あるまい?
そうか、安全装備だな!なるほど、これなら、衝突の時に顔面を守る事ができる。
安全意識の高まりは、歓迎すべき事であるな、うん。
しかし…公道での暴走行為をやめる方が先に来るんだろうな、普通は。

BLOOD REDS「…………自己紹介は以上だ。早速RACEさせてもらうぜ。俺達の走りは、少々荒っぽいからせいぜい気を付けろ」



大体において、湾岸仕様のマシンで下に乗り込んでくる事自体どうかしているのだ。
それに、いくら荒っぽい走りだからといって、仲間同士妨害し合わなくても良さそうなもんだ。
まあ…当然翔の勝ちである。一応ここはBLRの縄張りだからな。
というか、こういう連中に増殖されたらたまらん。桜木町GTだけでさえ持て余してるのに。





本牧埠頭に顔を出してみると、何やら随分と賑々しい。大量のギャラリーが溢れ返っている。
なんなんだ?世の中暇人が多いな。それとも珍しいものでもあるのか?
ああ…そうか、今夜はNRの代表決定戦が行なわれているはずなので、そのせいだろう。
どうやら翔は見物していこうと思っているようだ。練習しろよ、お前。
まあ…33typeRのボディを手に入れて、族車エアロを取ってくれたのはいいけど。
栄光のRにそんなものを着けた日にゃ、自爆するしかないと思っていたからな。


石川兄「辻本!! てめえ、これに負けたら引退しろや」

おお、どうやら決定戦開始直前だったようだ。
最近ますます態度だけは大きくなった石川兄が、辻本に食ってかかっている。
よく見ると弟クンもいるみたいだか、最近ますます影が薄くなっているようだ。

石川兄「チームのヘッドは このオレが張らせてもらうぜ」

辻本「…………クルマ乗れよ、石川」

石川兄「ケッ……びびりやがって」

なんでそう自分の都合のいいように解釈できるんだろうか。雑魚の精神構造はよくわからん。

石川兄「赤碕!! おめえも来いや!オレのNEW CAR CENCERのパワー、味あわせてやるからよ」

CENCER?なんかイヤな予感がするな。
…ゲッ、あの風呂屋の煙突みたいなマフラー…石川、遂に感染したか!?
む? という事は、その石川と接触していた難馬も…

ふと、GSミラージュのオヤジの言葉が思い出される。

オヤジ「TUNE UPのアテができたって、嬉しそうに話して…」

TUNE UP…まさか…いやあぁぁっ!

難馬、それだけはやめてくれ!
お前が桜木町GTの手先に成り下がった姿なんて、見たくはないぞ!

こうなったら難馬の事は諦めるとして、せめてこれ以上の蔓延は防がねばならん。
少なくとも石川兄だけには、絶対絶対絶対負けられん!

…本牧に、いつになく激しいBattleの風が吹き荒れようとしていた。





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