10thNight Pain Of Destiny
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北海道…総面積8万3451.59km2。日本列島の1/5を占める、本州を除く最大の島だ。 一方で人口密度は73人/q2に留まり、多くの雄大な自然を残す。
等々力の説得(?)も空しく、翔は北海道に向かっていた。 横浜の中で平和に終わると思っていたのだが、いつの間にやらスケールの大きい話になってしまったな。 遠くに行けばいいってもんでもないが。 しかし、北海道に行くんなら、飛行機で行きゃいいじゃないか。 美人の研修医と乗り合わせるかもしれないし。 走り屋仕様のクルマでそんなロングドライブ…平気なのか? 「YOKOHAMAを離れてから……何度目の夜が訪れたのだろう」 などと、ブツブツ呟いているところを見ると、あんまり平気でもないようだが… 横浜から札幌までは、おおよそ850q。北海道中部まででも大体1000qだ。 時速300qなら3時間で行っちゃうじゃないか。大袈裟だ。
北海道に上陸した翔が辿り着いたのは、FORGETHILLと言われる山だ。 一体どこの国だ、オイ。そんな地名が日本にあってたまるか。 それでもとにかく、横浜最速伝説の真実が山頂にある。登るしかあるまい。 しかしその前に、オーバルコースでRP荒稼ぎ。 北海道まで来てなにやってんだか…。
山頂にはロッジがあって、窓から明かりが漏れている。ここか…。 そして、ロッジの脇には、555カラーのWR2000(ステッカーチューン済)が。 もうちょっと世捨て人らしくしたらどうなんだろうか。 見付けてくれと言ってるようなもんではないか。 早速ロッジに乗り込む翔。ああ…また人格が入れ替わっている。厄介な事にならねばいいが…。
翔が行って少し経つと、何だか怪しげなエンジン音が二つ、近付いてきた。 この音はDiabloTUNE…つけられていたってのか? すぐに、ロッジから髭面の男が飛び出してきてWR2000に。続いて翔も戻ってきた。 髭の男はDiabloCARから逃れようと。そして翔は男を追うつもりのようだ。 「殺す……逃がしゃしねえ」とか呟いてるし!何があった? ロッジで手に入れたらしいディスクを私のグローブボックスに放りこんで、アクセルを踏み込む。 ゲー、雪の峠道で1000psのエンジンをフルスロットル!? やめろぉ!この自殺志願者め! あの男を殺すより先に、お前が死ぬわ!
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