1stNight Midnight PlusOne
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South Yokohama…俺達のSTREET… 醒めちまったこの街に… 熱いのは俺達のDRIVING…
上の熱に浮かされたような文句は、翔がベイラグーンレーシングに誘われた時に、藤沢が言った台詞らしい。奴の頭の中は一体どうなってるんだろうか。 類は友を呼ぶっていうのは、こういうのを言うんだろうな。
ともあれ翔は、健三を助ける事にしたらしい。勝手にBaseなどと言って不法占拠した、この埠頭から公道に出る。
翔「……冗談じゃねえ……来やがった……」
げっ、もう来たのか?これが世紀末都市横浜の恐ろしい所だ。 一旦公道に出れば、そこはもうBattleField。(←感化された) 軽自動車だろうがクロカンだろうが、PASSINGされたら即Battle。 バイトに遅刻しようが親が危篤だろうが、拒否はできない。
…で、早速翔はターゲットに選ばれたわけだ。
相手はナイトレーサーズの手先のスターレッ…STAR−S(仮名)だ。翔の足止めをするためにBattleを挑んできたらしい。 こんなもの相手にしなきゃ、それで済むと思うのだが…走り屋ってのも難儀だな。 そして、当然横浜のローカルルールとして、勝った相手からパーツが奪い取れる。 STAR−Sを蹴散らした翔は、嬉々として手当たり次第に周囲のクルマに襲いかかるのだった。 絶対何か忘れているだろう、お前。
数時間(も経ったような気がした)後、翔の愛車(つまり私だ)は、劇的な変容を遂げていた。 シャシーは今までと変わりないが、上に乗るのは軽ワゴンのボディ。 それがハチロクのパンダカラーに塗られた様は、まるでミニパトである。 そして短いノーズに収まるのは、2リッターDOHC直列6気筒エンジン。 リーンバーン&LEVで地球にも優しいユニットだ。奪ったポート研磨でチューンもGood。 う〜ん、まさしく羊の皮をかぶったツチノコというか…良くわからん生き物になった気分だ。
ま、ともかく翔も、ようやく健三を助けに行く気になったらしい。さぞや健三も待ちくたびれた事だろう。眠くなってるかもしれない。 …私に乗る翔の姿を見たら、眠気も吹き飛ぶであろうが。
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