11thNight Revival Of The LEGEND
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なにか物凄く久しぶりのような気がする、South YOKOHAMA。 テストコースの近くにRED RENGA倉庫と呼ばれる建物がある。 『DARKNESS GP』はそこで開催されるという。 倉庫でRACE!?一体どれほど広い倉庫なんだろうか。 まあ、非常識は今に始まった事じゃないから、大して気にはならないが。
それとおぼしき場所に行くと、「北斗」系の外国人が出迎えてくれた。
「DARKNESS GPにようこそ。私は統合EUROレースチャンピオン、ハイデル・シュナイダー。今宵の闇のGrandPrixを主催させてもらっているWON−TEC『D-Ploject』チームの責任者でもある」
はあ…シュナイダーさんですか。統合EUROレースチャンピオン…偉そうな響きですな。
シュナイダー「私は不要な誤解や衝突を好まない。自己紹介を簡単に済ませるのは、効率の問題だ。我慢して聞いてもらいたい。 私の肩書きはもう一つある……君と走るDRIVERの一人が私だ。人物の生い立ちや生活信条……言葉だけでわかりあえるとしたなら、長い時間が必要だろう。なるほど、走り屋は知っている。言葉よりも共に走る事で共感できる何かがある、と…」
ほほう、簡単に…か。
シュナイダー「…結局のところ、走りは人生に似てる……。追い求める先は、どこまでも見えない。得るものも失うものも、どこかむなしい。しかし、それでも走り続けるのは、本能を越えたなにか、人であるがゆえの超越するものへの憧れ……それがあると、私は思うのだ。 ……自己紹介と一言は、ここまでにしよう。」
てめー!十分長いじゃねーか! 統合EURO演説チャンピオンなんだろう!本当は!
簡単な一言の後は、予想通り翔の実力を試すためのRACEだ。 どうせなら、最初から走れば良いものを。効率悪すぎなのさ…シュナイダー君。
DARKNESS GPは、横浜GPと全く同じコースで行なわれた。 しかし…横浜全市を使ったはずのそれが、何故South YOKOHAMAの一地区に… 参加車は翔を含めて5台。全部DiabloTunedCARなので、何が何だかわからん。 妙なデコレーションのゴキブリが走り回っているようにしか… いや、そんな事はもうどうでもいい。過給機×9で1000psを突破している私のエンジンも、もはやDiabloTUNEと言ってもいいはず。こんなゴキブリどもに負けるはずがない。 圧勝…とまではいかなかったが、ともかく1位でゴールラインを駆け抜けたのであった。
…そして、この闇のGrandPrixを制した翔の前で、ついに横浜最速伝説の真実が明かされようとしていた。
待て、次号!
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