FinalNight The End Of Sweet Dream
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崩壊していくベイラグーンタワー… 翔は鉄パイプを持って、ウォン・リーを追い詰めていた。 …って、お前、藤沢はどうしたんだ! 奴を探すんじゃなかったのか…。まさか、こっちが真の目的!? 人格が入れ替わっている様子もないが…人格統合されてきたのだろうか。
ウォン・リーに歩み寄り、鉄パイプを振り上げる翔。合掌…
と、その時、花火のような乾いた音が響く。 ゆっくりとウォン・リーが倒れ、その後ろに見えたのは、シュナイダー。 左手に銃を構えている。ひょっとして、コイツが撃ったのか?
シュナイダー「君が手を下す必要はない。 時代に取り残された愚か者たち、彼らを葬り去る事。それが私の仕事だった。 ウォン・リー……そして……D‐Projectに関係した全ての人物」
て事は、石川達を殺ったのも、タワーを爆破したのもコイツの仕業か。 しかし派手にやったな。爆破すればいいってもんじゃなかろう。 爆破が男のロマンである事は認めるがな。
シュナイダー「私は『Diablo』を持ってヨーロッパに凱旋する。 『Diablo』の障害は克服されなかった……。出来損ないのサンプルは、哀れな失敗続きだった。 だが……それがなんだ?わかるか?今の『Diablo』にはそれ相応の使い道がある」
シュナイダーが勝手に解説してくれたところによると、Diabloの欠点である意識のホワイトアウトや恐怖感の欠如。 それによって引き起こされる事故は、一部の人間にとっては、大きな利益を生む。 既に世間で報道されている大事故のいくつかは、そのようにして生み出されたものらしい。
シュナイダー「ここが崩れるまでしばしの時がある。君とGAMEを続けるくらいの時間の猶予は十分にある」
翔「……俺と……GAMEだと……ふざけるな……!!」
シュナイダー「君にはApologizeしなければならない。 これから話す事は、ささやかなお詫びのしるしだと思ってくれ」
「Apologize(言葉で謝罪する)」などと、いちいち断るあたりがムカつくな、こやつ。
それはそれとして、シュナイダーの話とは翔についてだった。
北海道で射殺された男…彼は川志摩サトルといい、D‐Plojectのチーフレジデントだった。 10年前…横羽線の事故の夜。川志摩は運び込まれた翔が、実験体ではないと一目でわかった。 だが、もしそうであるとシュナイダーが知れば、処分されてしまう。 そこで翔の命を救うべく、実験体として10年間眠らせたというわけだ。 自分がしてきた事に対する、せめてもの罪滅ぼしのつもりで。
シュナイダー「『Diablo』の抗体情報など……君にはない。 ……『最後の希望』……我々が後生大事にCAREしCUREした君は…… 何の価値も生み出さない、ただの走り屋だったのだ。 あの事故現場に居合わせただけの……偶然の走り屋……。 川志摩サトルの感傷を刺激したに過ぎない誰でもない男……それが『君』だ……」
な、なんて間抜けな話だ。 じゃあ何か?現在のDiablo騒動に関わった人間は全て、勘違いと思い込みで踊っていたに過ぎないって事なのか。 この事件で命を落とした連中…難馬、沢木、藤沢(これは違う)、石川兄、楠木、健三(これも違う)… もう、ご愁傷様ですとしか言えません。 おめでとう、川志摩サトル! 本当の勝者は…君だ!(意味不明)
そして、LAST BATTLE。 もうここまで来たら、理由なんてどうでもいいや。思う存分走ってくれ。
シュナイダー「REWARDSは……生活する自由。豚のような人生…生きる自由。 生きてもいいんだ……君にはその権利がある。 準備を整えるがいい。BayLagoon先端までのRACE…… 君が死ぬか……私が死ぬか……GOALはDeadEnd」
はー…これでシュナイダー教授の講義も、めでたく終了ですな。
Battleが始まったら、そのまま逃げてしまう…というわけにはいかんのかな。
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