1stNight -5- 大分道草を食ったが、ようやく目的地の外国人墓地に辿り着いた。
一瞬迷ったな、お前。 翔「……おい!」 健三「あああ、赤碕!」 翔の姿を認めた健三は、あっさりと拘束を振り切って、翔の元へと駆け寄った。 強いじゃないか、健三君。キレると怖いタイプだな。 健三「知らないって言ってんじゃんか!由佳に手出ししたら、た…ただじゃおかないぞ!」 翔「………」 健三「何とか言ってくれよ」 翔「……どうなってる?」 …だめじゃんか、翔。(←健三調) ええい、要するに、辻本が藤沢に負けた事を逆恨みしたナイトレーサーズの雑魚(石川兄弟含む)が、鈴木由佳をさらって藤沢を脅迫し、強引に再Battleしようとしているっていうんだろ? 察しの悪い所など、主人公らしくて良いがな…。 ちなみに「鈴木 由佳」というのは、ベイラグーンレーシングの、マスコットガール的存在の女だ。 イギリスの世界的に有名な小型車を走り屋仕様にするという、ファンが見たら泣きそうな所業をやっている。 健三「あちゃ〜!!ここは逃げるが勝ち!俺……逃げ足だけは藤沢先輩より速いじゃんか!!」 そう言ってCVCに乗り込む健三。道…塞がれてるんじゃないのか? 腕を掴む連中を簡単に振り払えてクルマも動かせるんなら、自力で逃げれば良いのだ。自信を持つと怖いタイプかもしれない。 ともあれ、こうなったからには翔も一緒に逃げるしかなかろう。 横に並んだ私と健三のCVC。 そしてその後ろにきちんと整列した、ナイトレーサーズの方々。 深夜の住宅街に、逃亡劇の幕開けを告げるカウントダウン。 なにか違う気もするのだが。 |