1stNight Midnight PlusOne
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石川兄のGRAを遂に発見し、意気の上がる翔。 だが後方からハイビームを浴びせた途端、GRAは加速してこちらを振り切ろうとする。 いや…挑発しているのか? 面白い。雑魚の分際で主人公を挑発した愚かさをその身に思い知らせてやろう。
と、追撃をかけようとした瞬間、横合いから突っ込むクロカン。 そしてPASSING。…おい! だ〜か〜ら〜!別に相手しなくたっていいではないか!しかもクロカンだぞ!? いくらヤツらが、現代日本でその荒地踏破能力を持て余しているからといって、なにも公道レースで発散させる事もあるまいに。 むう…仕方ない。ここはまっとうなオンロードカーであるこの私が、彼らに引導を渡してくれよう。
ぐう…負けた…。 流石はトルク溢れるディーゼルエンジンと4WD。恐るべきはその加速力であった…。 ええい、もう石川などに構ってはおれぬわ! クロカンに負けたまま余生を過ごすなど、我慢できん! Rだ!RevengeRaceだぁ!
というわけで、クロカンへのRevengeを果たした私は、再度の大きな変容を遂げていた。 シャシーはwagon660。エンジンはSil‐14用の2リッター直4。 そして、カブトムシみたいなドイツの大衆車がボディだ。 もうハチロクのだった頃の面影など、どこにもありはしない。
しかし性能は十分だ。1000kgを切る車重に、180馬力以上を叩き出すエンジン。 これなら石川兄のGRAなど一捻りだ。ふっはははは!
ベイラグーン埠頭で待ち伏せし、現れたGRAとBattleに突入。 先行するGRAは、以前に比べて動きが鈍いような…気もする。 そりゃそうだろう。石川兄弟に鈴木由佳。三人も乗ってりゃ、一人乗りと比べて120kgは違うはずだ。 1周かからずに軽く追い付き、前に出て進路を塞ぐ…その時。
後方から猛烈な勢いでやって来たSil‐14が、あっという間に我々を抜き去った。 あれは沢木…?今頃来やがって! あんなに簡単に捕らえられるんなら、ヤツに任せておけば良かった…。
やれやれ、長い夜も、ようやくこれで終わりだ。 鈴木由佳も忘れずに助け出したし、石川兄も沢木に修正されていたし、万事解決だ。 ただ、一つ気になるのは翔の事だ。 由佳を助けてヒーロー気分になってしまったのか、妙に色気づいてしまったようだ。 クルマの私が言うのもなんだが、この女はやめた方がいい…と思うのだがなぁ…。
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