2ndNight
RevengeRace


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昨日の「鈴木由佳拉致事件」は、一応の終息を見せていたが、実は思わぬ事態をも生み出していた。
チーム関係の悪化が尾を引くのはまずい事になる…という判断から、今夜もう一度BayLagoonRACING(長いので、以下BLR)とNightRACERS(同様にNR)のBattleが決行される事になったらしい。
翔の言葉を借りれば、「……藤沢先輩と辻本のTAIMAN-BATTLE」ってわけだ。
また勝手に言葉を作ってるな、この男は。

だけど、「思わぬ事態」というのはその事じゃない。
藤沢と辻本のバトルの前哨戦として、沢木が翔を指名してきたという、それだ。
BLRのbQは、一応難馬って事になっている。
その難波を無視して、翔をご指名してきた沢木…
難馬のバイトが忙しいのか、あるいは…
余程昨日の翔の態度が気に入らなかったのか。(前々回参照)
まっこと、口は災いの元であるな。

流石の翔も一応は神経があるらしく、後3時間と迫った沢木との勝負にプレッシャーを感じてるようだ。
とその時、翔が1人思いにふける埠頭に、一台のマシンが突っ込んできた。
…みかけないクルマだ。派手にスピンターンを決めて止まったそのクルマから、女が顔を覗かせている。

「はいは〜い!!そこの走り屋クン!1人で走ったってつまんないでしょ〜!」

いや…徒党を組んだら走り屋ではなくて暴走族だろう。ひょっとして新手のナンパか?
う〜ん、走り屋人口98%くらいのこの街なら、ありえない話ではないが…
…え?違う?UnOfficialRACEだって?

青山菜々子と名乗る女が、何故かポーズを決めながら説明してくれた事によると、彼女は走り屋チーム「横須賀Black Knights」のリーダーらしい。
なんでかっつーと、資金難で解散中だかららしい。弱肉強食は何処も同じか…。
こんな異常地帯は横浜だけだと思っていたが、横須賀まで…
ひょっとして、日本中がこの調子なのか?ああ、世紀末!

そういうわけで、彼女はUnOfficialRACEを主催して、チーム再結成の費用を稼いでいるのだ。
まあ、要するに、平たく言えば翔にUnOfficialRACEに参加しろと。
それにしても、アンタも結構いい年に見えるが…いつまでもこんな事してていいのか?

それはともかくとして、勝てば色々と手に入ると聞いた翔は、俄然その気になったようだ。
…遊んでていいのか、お前。





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