郷田システムの基本形
▲３五歩を見送り▲６八角△９四歩▲７九玉△９五歩としたの図７の局面を基本図とする。
図７の局面では▲３五歩、▲５七銀、▲８八玉などが考えられる（▲２六歩や▲１六歩もあるだろう）。
ひとつひとつ考えてみよう。
１．▲３五歩
▲３五歩とすると以下△同歩▲同角△６四角▲３七銀△３六歩▲２八銀△７二飛となり▲２八銀の形が気に入らず指す気にはなれない。
▲３七銀で▲４六角は▲７九玉の形のため角交換から△４九角で馬を作られてしまう（先ほどの変化と違うところ）。
２．▲５七銀
基本図（図７）の局面で▲５七銀と上がると今度こそ△６四角とでられて▲３七桂とあがる。
そのあと▲４六銀・▲３七桂の形になると後手は△８五歩保留の森内流なのでまずい（もちろん形勢は五分だが）。
▲６五歩から▲６六銀と盛り上がる構想も考えられる。
▲５七銀△６四角▲３七桂の図８の局面。
ここから△３一玉に▲４六銀とせず▲６五歩から▲６六銀を目指す展開。
図８の局面から△３一玉▲６五歩△４二角▲６六銀右△７三桂で図９の局面。
この場合は△６四歩を狙われ指しにくい。
▲６五歩から▲６六銀と盛り上がり▲４六角で後手陣をにらみ倒す展開は手厚く魅力的である。反面 ６筋に戦いの焦点を与えるので反撃される恐れがある。
この場合（図９）は先手のきずの方が大きいだろう。
図８の局面で△７三角だと▲６五歩がある。
△７三角▲６五歩で後手の角が△８四歩、△６二銀の形のため窮屈。
以下△６四歩なら
▲６六銀右△６三銀▲６四歩△同角▲６五銀△４二角
▲６四歩△同銀▲４六角で図１０の局面。
図１０の局面で△６三歩なら▲７四銀だし△４五歩なら▲同桂で先手が指せる。
３．▲８八玉
基本図（図７）から▲８八玉と上がった図１１の局面。ここで後手の指し手が難しい。
玉を囲うのに角を移動させるため△４二角と指すならば△６四角の方がいい。
△７五歩 は以下▲同歩△同角▲６五歩から盛り上がっていけば先手がいい。
△７三銀 も同じような意味だが今度こそ▲３五歩がある。先ほど（１．▲３五歩）とは違い仮に▲２八銀の形になったとしても後手は△７三銀と指してしまっているので不満はない。
ここで△７三銀と指すのなら先手玉がまだ不安定な前ぺージの図５の局面の方が良い。
△７三桂 から（a）雀刺し、（b）△７三桂▲５七銀に△６四歩、（c）△７三桂▲５七銀に△６四角なども考えられる。
（a） まず雀刺しにする変化を考えてみる。
▲３八飛と寄った効果で後手は△４三金右と指してしまっているのでかなりやりにくい（飛車を渡せない、先手が一手余分囲いに手を入れられる）といえる。
それでもやるとしたら先ほどの▲８八玉の局面（図１１）から△７三桂▲５七銀△９三香▲８六銀△９二飛▲６五歩△８五桂▲６六銀で図１２の局面。
以下△９七桂成から攻めるとしたら
▲同銀△９六歩▲同銀△同香▲同香△同飛
▲９九香△９七歩▲同香△同角成▲同桂△７一香
だろうが ▲６六銀の形が手厚く先手十分といえる。
（b）図１１の局面から△７三桂▲５七銀に△６四歩ならば▲４六銀から▲３五歩と攻めれば先手いい。
（c）図１１の局面から△７三桂▲５七銀に△６四角▲３七桂と進んだ図１３の局面。
図１３の局面から
△３一玉▲４六銀△２二玉▲２六歩△２四銀▲１六歩と進めば 森内流が現れる前にプロ間でもよく指された形。
この展開は△６二銀が活用しづらく今では指されることは少ない。
森内流でないこの展開ならば▲４六銀・▲３七桂の形でも不満はない。
結局、図１１の局面では△６四角として森下システムの変化にせざる得ないのかもしれない。
今のところ▲８八玉で悪くなさそうなので私は基本図（図７）で▲８八玉としている。森下八段の本でも▲８八玉を有力視している。
[前のページ] [上へ]
[研究] [研究２]
[HOME]