テリー伊藤のバラ色に埋まってしまう世界観について
敗北主義を撲滅せよ
『大学ランキング』という分厚い本がある。「企業からの評価」や「学費が安い」など、大学の各種ランキングが掲載されており、毎年出版されている。
教員のアカデミックな面での質が、この本からではどうにもよくわからんという問題はあるものの、ぼんやり眺めている分には楽しい。
この本の'98年度版、「政治家出身ランキング」の稿はテリー伊藤が担当している。彼は、「普通の、いまどきの等身大の学生の感覚」を持つ政治家が、指導者として相応しいのではないかと記している。
政治家の資質として、「普通の、いまどきの感覚」が妥当なのかどうかは、とりあえず、判断を保留にしておくとして、では、かれの言う「普通」の感覚とはいかなるものか? 読み進めるわれわれの前に立ちはだかるのは、想像を絶する恐るべき文言であった。
「ミッション系の大学に通い、鶴田真由みたいなかわいい女の子とつきあっていて、さらにニューヨークやロンドンに2年ほど留学したことがある――」(強調は引用者)
あわわ…。