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中日ドラゴンズ最終戦に希望を見た

中日ドラゴンズは3位でシーズンを終えた。
投手陣は、チーム防御率リーグ2位と安定していたものの、相変わらず打線がやや弱い。
しかし、シーズン終盤、期待の若手が起用され、未来はそう暗いものではなさそうだ。
まずは、10月14日、阪神を相手にした最終戦のメンバーを見てみよう。

※・・・名前等のリンク先には移動できないのでご注意。

先攻 中日 . .
打撃成績
位置 名前 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 通算打率
(中) 大西 2 0 0 0 1 0 0 0 0 .307
打中 蔵本 3 0 1 0 1 0 0 0 0 .270
(二遊) 荒木 5 0 2 0 0 0 0 0 0 .259
(遊) 井端 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .290
打三二 渡辺 4 1 1 1 1 0 0 0 0 .269
(一) 高橋光 4 2 2 2 0 0 0 0 1 .229
(三遊) 森野 2 0 1 0 0 1 0 0 2 .225
筒井 1 1 1 0 0 0 0 0 0 .500
(右) 幕田 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .200
(左) 4 0 0 0 3 0 0 0 0 .211
(捕) 田上 4 0 1 1 1 0 0 0 0 .167
(投) 朝倉 1 1 1 0 0 0 0 0 0 .079
中野 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .222
宮越 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ----
福留 1 0 1 0 0 0 0 0 0 .343
小山 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
木村 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ----
鈴木 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .200
  中日 合計 38 5 11 4 10 1 0 0 3 .257
投手成績
勝・敗 名前 投球回数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点 防御率
朝倉 4 25 86 10 0 2 2 8 1 2.61
  宮越 2 6 19 0 0 1 0 0 0 19.29
  小山 1 6 29 2 0 1 1 2 1 4.81
  木村 1 3 13 0 0 1 0 0 0 6.00

主力はあらかた欠場し、小粒ではあるが、希望に満ちたオーダーだ。
捕手の田上はルーキー、レフトの森は23歳と若さいっぱい。

さらに、この表を眺めていると、ある5人の名前がキラキラと輝いているのに気づくだろう。
その5人とは、もちろん、渡辺博幸、高橋光信、森野将彦、幕田賢治、中野栄一のことである。
彼らはあの野球先進県、神奈川県の高校を卒業したエリートなのだ。
(ちなみに、ぼくも神奈川県の高校を卒業したため、インチキコラム界のエリートと呼ばれているとかいないとか)

この試合、中日は14人の野手が出場したが、なんとその3分の1以上が神奈川球児なのだから驚きだ。
ここに名前はないが、山本昌、関川浩一のベテランも忘れてはいけない。
では、今年の彼らの成績を見てみよう。

年齢 出身高 打率 打点 試合 打数
森野 将彦 24 東海大相模 0.225 5 14 84 191
渡辺 博幸 32 日大藤沢 0.270 4 17 110 167
関川 浩一 33 桐蔭学園 0.212 0 13 73 118
高橋 光信 27 横浜 0.229 3 5 26 70
幕田 賢治 24 横浜 0.200 0 4 4 15
中野 栄一 28 横浜 0.222 0 0 11 9

森野のこれまでの出場試合は、5年間で81試合。
今季は1年でそれを上回った。
5本塁打、14打点はもちろん自己最高。
打率が2割の大台を超えたのも初めてだった。
関川はやや衰えたが、渡辺は便利屋として渋い働きを見せた。
高橋は4番に座り、中野は谷繁の控えとして欠かせない存在だった。
プロ入り6年目の幕田は、待望の初ヒット、初打点を記録した。

  年齢 出身高 試合 投球回 防御率
山本昌 37 日大藤沢 21 7 6 86 1/3 3.96

不本意なシーズンだった山本昌だが、通算150勝を挙げた。
足掛け19年の大記録である。

 

ふるさと神奈川の選手が活躍するのはうれしいが、手放しでは喜べないとも思う。
なぜなら、ぼくの応援する横浜ベイスターズと中日との間には、ドラフトにからんだある不幸な歴史があるからだ。
それは1996年のこと。
ベイスターズは3位で大野貴洋(所沢商)、4位石井義人(浦和学院)、5位神田大介(花咲徳栄)と3人の埼玉球児を指名した。

ところが、スカウトたちが埼玉のほうを見ているすきに、足元を狙う鋭い目があった。
徳川家康いらいの抜け目なさを持つ名古屋人だ。
ヤツラはベイスターズの敏腕スカウトを出し抜いて、神奈川から逸材を盗み出すという暴挙に出た。
その時盗まれたのが、森野将彦(2位)、幕田賢治(3位)、中野栄一(4位)なのだ。
(この事件の恨みについては、過去のコラム「石井義人発 中野栄一行」でも述べた)

さらにぼくをやるせない気分にさせる出来事がある。
ベイスターズに入団した大野は昨シーズン後に解雇。
先日、神田にも戦力外通告が言い渡された。
ドラゴンズの最終戦のメンバーを見ると、彼我を比べずにはいられない。

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