第6章 バーチャルLAN (VLAN)
■ VLAN。 VLANは、1つのLANを論理的に分割し、 仮想的に複数のLANを形成する仕組み。 特長としては、下記の通り。 (1) 自分が所属しないVLANにはアクセスできないので、 サーバ等のセキュリティを高めることができる。 (2) ブロードキャストドメインを分割することにより、 トラフィックを軽減できる。 その他、VLANの基本についてはこちらを参照のこと。 ■ VLANメンバーシップ。 VLANはスイッチ上で作成され、 その後、各ポートに割り当てられるが、 このときの割当方法には2種類ある。 (1) スタティックVLAN。 VLANを作成するときの最も基本的な方法。 管理者が手動でVLANを割り当てる。 (2) ダイナミックVLAN。 ネットワークが接続された端末のMACアドレスを認識して、 自動的にVLANを割り当てる方法。 例えば、センターに別途VLAN管理データベースを設け、 管理対象端末のMACアドレスを各々適切なVLANに対応付けておく。 そして端末が実際にスイッチポートに接続されると、 そのMACアドレスを認識し、VLAN管理データベースを検索して 接続されたポートに適切なVLANを割り当てる。 Ciscoでは、VMPS(VLAN Management Policy Server)を利用して、 これを実現している。 ■ VLANの識別。 トランク化とは、 1本の物理ポートを複数のVLANに所属させ、 複数のVLAN属性情報をやり取りすることをいう。 (1) トランクリンク トランク化された物理ポート。 複数のVLANに所属し、どのVLANに属するフレームでも伝播できる。 他のスイッチやルータ、サーバを接続する。 (2) アクセスリンク トランク化されていない物理ポート。 単一のVLANに所属し、他のVLANに属するフレームは伝播できない。 クライアントPCを接続する。 トランク化を行なった場合、トランクリンクにおいて、 各フレームがどのVLANに属するかを判別する方法が別途必要になる。 タグ付けである。 タグ付けの方法には、 世界標準のIEEE802.1qを用いる方法と シスコ独自のISLを利用する方法がある。 ■ VTP VTPとは、VLAN設定情報を ネットワーク全体で同期させるための仕組みである。 詳細はこちらを参照のこと。 ■ VLAN間のルーティング 異なるVLANに所属するホストは、 異なるネットワークに属するのと同じである。 これらを互いに通信させるには、 ルータなどレイヤ3デバイスによる中継が必要になる。 シスコ2600ルータは、ISLルーティングをサポートしており、 VLAN間通信を実現することができる。 以上。 2004/01/05 pm