フィボナッチ数列(2)

■フィボナッチ数列の一般項
=a=1、an+1=a+an−1(n≧2)なるフィボナッチ数列は前述の一般論で見たように一般項を求めることができる。
もう一度その解法を振り返りながら、anの一般項を求めてみよう。
特性方程式X−X−1=0を作り、2次方程式の根の公式を用いて解けば、 
X=(1±√5)/2となる。
 α=(1+√5)/2 
 β=(1−√5)/2とおく。ここで、α+β=1 α−β=√5に注意しておく。
数列{an+1−αa}が初項a−αa=1−α=β、公比βの等比数列、 
数列{an+1−βa}が初項a−βa=1−β=α、公比αの等比数列であり、
 an+1−αa=βn−1・β=β 
 an+1−βa=αn−1・α=α 

辺々を引けば、(α−β)a=α−β

 ∴ a=(α−β)/√5 
     =[{(1+√5)/2}−{(1−√5)/2}]/√5 
を得る。
■フィボナッチ数列と黄金比
フィボナッチ数列と黄金比の間には密接な関係が存在する。
黄金比は1:(√5−1)/2=(√5+1)/2:1であったが、 
フィボナッチ数列の特性方程式の根 

  α=(1+√5)/2 
  β=(1−√5)/2=−(√5−1)/2=−1/α 

には黄金比の数が現れている。

{a}:1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,…… 
前項と次項をそれぞれ分母と分子にする比を考えれば、
    a/a=  1/1 =1 
    a/a=  2/1 =2 
    a/a=  3/2 =1.5 
    a/a=  5/3 =1.66666666…… 
    a/a=  8/5 =1.6 
    a/a= 13/8 =1.625 
    a/a= 21/13=1.61538461…… 
    a/a= 34/21=1.61904761…… 
   a10/a= 55/34=1.61764705…… 
  a11/a10= 89/55=1.61818181…… 
  a12/a11=144/89=1.61797752……
のように、an+1/aの値はnが大きくなるにつれてα=1.61803398……へ漸近的に近づいてゆくことが推測できるであろう。
事実、厳密に次の命題が成立する:
{a}をフィボナッチ数列とする時、 lim(an+1/a)=α 
                   n→∞
 
(証明) 
 an+1/a=(αn+1−βn+1)/(α−β 
        ={(αn+1−βn+1)/α}/{(α−β)/α 
        =(α−αβn+1/αn+1)/(1−β/α 
        =α{1−(β/α)n+1}/{1−(β/α)
 β/α=(1−√5)/(1+√5)=(1−√5)/(1+√5)(1−√5) 
    =(1−2√5+5)/(1−5)=−(6−2√5)/4 
    =−(3−√5)/2
 2<√5<3 ∴ −1<−3+√5<0 ∴−1/2<β/α<0 
−1/2<β/α<0ゆえ、n→∞ならば(β/α)は0に収束する。注1
従って、(an+1/a)→α                  (証明終わり)
注1
−1<r<1ならばr→0(n→∞)
また、α= という連分数展開から、
近似分数を考えると、 

                       1=1/1      =a/a 
                  1+1/1 =1+1=2=2/1=a/a 
             1+1/(1+1/1)=1+1/2=3/2=a/a 
       1+1/{1+1/(1+1/1)}=1+2/3=5/3=a/a 
 1+1/[1+1/{1+1/(1+1/1)}]=1+3/5=8/5=a/aなどとなっていることからも、α=lim(an+1/a)が分かる。 
                n→∞

 
 (1999.8.28 高林廉)  
 
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