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「詰みでしたね」と言われないために

実戦の詰み手筋50  将棋タウン 2001年

一手違いの白熱した終盤戦。相手が詰めろをかけてきました。秒読みに追われて駒台から金をつかんで自玉の横に打ちつけます。しかし、それは相手の読み筋でした。金打ちは受けになっていなかったのです。相手が桂で王手をかけた局面をよく見てみると、簡単な詰み筋があることに気づきました。投了。。
しかし、悔しいのはそれだけではありませんでした。「ありがとうございました。」のあと真っ先に観戦者が口に出した言葉は「詰みがありましたね」。金を受けに使わず、龍切りから金を捨てれば相手玉が詰んでいたのです。

というような経験をされた方は多いと思います。
私はわりあい詰将棋好きなせいか、そういうことは少ないのが自慢です。読みを入れなくても「これは詰みがある」とひらめくことがあり、その直感は2回に1回くらい当たります。

そんな(どんなだ)直感を育てるにはどうしたらよいのでしょうか。よく言われるのが詰将棋をたくさん解くという方法です。しかし実際には、詰将棋作家は「実戦に役に立つように」などと考えて詰将棋を作ってはいません。そのため、実戦に応用するための手筋を身に付けるためには、たくさんの詰将棋を解いてそのなかから共通する要素を自分で抜き出してみるという作業を(たいていの場合は無意識に)行う必要があったのです。

そういう問題意識を持って、私から見ると途方もない量の作業をこなしてしまったのが将棋タウンのisodaさんです。「終盤の詰みの手筋は分類できる」という信念のもとに、実戦の詰みでよく出現する(といっても濃淡はありますが)手筋を50個にまとめてしまわれました。わかりやすく書かれている講座編に加えて、演習問題390問、プロの実戦からの問題60問と、普通の本にしたら5冊分は優にある盛りだくさんな内容です。それでいて値段は500円ですから、買わなければ損と言ってよいでしょう。

この本は紙の本ではなくパソコン上で読む形態をとっています。購入方法、サンプルページなどは将棋タウン内の紹介ページをご覧いただくとしましょう。もちろん本棚には入りません(^^;。

私はこのような本が将来的には珍しくないものになっていくと考えています。そのような意味で、今回、大手出版社やソフト会社と関わりなくこんな出版ができたのは、一つの時代の先駆けだと思っています。みなさんもぜひ購入して、isodaさんの苦労に少しでも利益を還元してあげましょう。

今回は宣伝に徹した私でした。


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written by mozu

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