取る一手将棋では全く手がかりがないところからでも、取る一手を強要することにより一気に詰みに至る局面が多くあります。そこで、詰ますための手筋をいくつか練習してみましょう。まずは右図を詰めてみてください。もちろん王手の連続でなくてもかまいませんが、後手に手番を回してしまうと自玉が詰まされます。
はじめに▲2八銀 △同成香 と銀を捨てます。そこで、▲5三歩 と打つのが好手です(右図)。ここで、後手は取る一手のため△2九成香 と指すしかありません。その次の先手の手はもちろん▲5二金 です。裸の玉があっさりと詰んでしまいました。
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取る一手将棋は、このように相手の手を取る一手で強制できるため、手がかりがない状態からでも簡単に詰んでしまいます。この例題を参考にして、次の局面を詰めてみてください。
なお、手順前後や非限定は気にしない方向でお願いします。
『おもしろゲーム将棋』(湯川博士著)に載っている ▲武者昌紀△清水英幸 戦の一局面です。実戦では△5五歩 ▲5四桂 以下後手玉が詰まされてしまいましたが、ここは後手の最後のチャンスでした。実際には「王手をかけられていないとき、玉で取れる駒があれば玉で取らなくてはならない。」というルールありでの対局でしたが、ここではこのルールがないものとして考えてみて下さい。