代数方程式の根の公式(3) 
■4次方程式の根の公式(フェラリの解法)
3次方程式の場合と同様に、X+aX+bX+c=0という3次の項のない4次方程式に関して解法を述べる。注1
注1
一般には4次方程式はaX+bX+cX+dX+e=0(a≠0)の形であるが、X=Y−b/4aという変数変換により、3次の項のない方程式になることが分かる。
カルダノの弟子であるフェラリ(Ferrari 1522-1565)によって発見された解法を紹介する。
f(X)=X+aX+bX+c=0……(1)
+aX+bX+c=(X+a)−aX−a+bX+c=0から、
(1)は(X+a)=aX−bX+c+a と変形できる。
そこで、新しい変数Tを次のように導入する。
 (X+a+T) 
=(X+a)+2(X+a)T+T 
=aX−bX+c+a+2(X+a)T+T 
=(a+2T)X−bX+T+2aT+a+c
∴ (X+a+T)=(a+2T)X−bX+T+2aT+a+c……(2)
(2)はTに関して恒等式(Tがどのような値でも成立する式)であるが、右辺のXに関する2次式が完全平方になるようにTを決定したい。その為には右辺の判別式が0であればよい。
即ち、b−4(a+2T)(T+2aT+a+c)=0……(3)ならばよい。
これはTに関する3次方程式であり、カルダノの解法によって解くことができる。
その根の1つをT=(P+Q)/2−5a/6とする。
ただし、P={−B/2+(−D/108)1/21/3 
    Q={−B/2−(−D/108)1/21/3 
    A =−(a/3+4c) 
    B =−2a/27+8ac/3−b 
    D =−27B−4A             とする。注2 
(2)にTを代入すれば、
(X+a+T=(a+2T){X−b/2(a+2T)}
∴ X+a+T=±(a+2T1/2{X−b/2(a+2T)}
+a+T= (a+2T1/2{X−b/2(a+2T)}……(4) 
+a+T=−(a+2T1/2{X−b/2(a+2T)}……(5) 
はそれぞれXに関する2次方程式であるから、これらを解いて各2つ合計4つの根が以下のように得られる。
X={ (a+2T3/2±M}/2(a+2T) , 
  {−(a+2T3/2±M}/2(a+2T
ただし、 
  M={(a+2T)(a−4c)−b+2b(a+2T3/21/2 
  M={(a+2T)(a−4c)−b−2b(a+2T3/21/2 
とする。注3
注2
(3)つまり、b−4(a+2T)(T+2aT+a+c)=0を展開し、 
8T+20aT+(16a−8c)T+4a−4ac−b=0
T=S−20a/3・8=S−5a/6とおけば、
8S−2(a/3+4c)S−2a/27+8ac/3−b=0という2次の項のない方程式となる。主係数8で割ってモニックを考えよう。
h(S)=S−(a/3+4c)S/4 
               +(−2a/27+8ac/3−b)/8とおく。
A=−(a/3+4c) B=−2a/27+8ac/3−bとすれば、
h(S)=S+(A/4)S+B/8=0であり、前節の結果を用いその一つの根Tは次のようになる:
= {−B/8・2+(−D(h)/108)1/21/3 
   +{−B/8・2−(−D(h)/108)1/21/3−5a/6 

D(h)=−27(B/8)−4(A/4)=(−27B−4A)/64

ここで、D=−27B−4Aとおくと、D(h)=D/64 
(後半で、このDがf(X)=0の判別式と一致することを示す)
{(−B/8)/2}1/3={(−B/2)/8}1/3=(−B/2)1/3/2
{(−D(h)/108)1/21/3={(−D/64・108)1/21/3 
                   ={(−D/108)1/2/8}1/3 
                   ={(−D/108)1/21/3/2
であるから、 
     P={−B/2+(−D/108)1/21/3 
     Q={−B/2−(−D/108)1/21/3 
とおけば、T=(P+Q)/2−5a/6と表される。
注3
(4)及び(5)を解く(以下、複合同順とする)。
+a+T=±(a+2T1/2{X−b/2(a+2T)} 
の両辺に(a+2T)を掛けると、
  (a+2T)X+(a+2T)(a+T 
=±(a+2T1/2・(a+2T){X−b/2(a+2T)} 
=±(a+2T1/2{(a+2T)X−b/2} 
=±(a+2T3/2b(a+2T1/2/2 

∴ (a+2T)X(a+2T3/2 
           +(a+2T)(a+T)±b(a+2T1/2/2=0

(X)=(a+2T)X−(a+2T3/2 
           +(a+2T)(a+T)+b(a+2T1/2/2 
(X)=(a+2T)X+(a+2T3/2 
           +(a+2T)(a+T)−b(a+2T1/2/2 
とおこう。
(4)即ち、k(X)=0の根は 
X={ (a+2T1/2±D(k1/2}/2 
 ={ (a+2T3/2±(a+2T)・D(k1/2}/2(a+2T
(5)即ち、k(X)=0の根は 
X={−(a+2T1/2±D(k1/2}/2 
 ={−(a+2T3/2±(a+2T)・D(k1/2}/2(a+2T
ここで、 
 (a+2T・D(k± 
={(a+2T3/2 
 −4(a+2T){(a+2T)(a+T)±b(a+2T1/2/2} 
=(a+2T−4(a+2T(a+T2b(a+2T3/2 
=a+6a+12aT+8T 
 −4(a+4aT+4T)(a+T2b(a+2T3/2 
=a+6a+12aT+8T 
 −4a−16a−16aT−4a−16aT−16T 
 2b(a+2T3/2 
=−8T−20aT−14a−3a2b(a+2T3/2
ところで、Tは(3)を満たしているから、 
8T+20aT+(16a−8c)T+4a−4ac−b=0
∴ −(8T+20aT)=(16a−8c)T+4a−4ac−b
∴(a+2T・D(k± 
(16a−8c)T+4a−4ac−b−14a−3a 
 2b(a+2T3/2 
=2a−8cT+a−4ac−b2b(a+2T3/2 
=2(a−4c)T+a(a−4c)−b2b(a+2T3/2 
=(a+2T)(a−4c)−b2b(a+2T3/2
  M={(a+2T)(a−4c)−b+2b(a+2T3/21/2  
  M={(a+2T)(a−4c)−b−2b(a+2T3/21/2 
とおけば、
 (a+2T)・D(k1/2=M 
 (a+2T)・D(k1/2=Mで、 

X={ (a+2T3/2±M}/2(a+2T) ,  
  {−(a+2T3/2±M}/2(a+2T

 
            (1999.8.8 高林廉) 
 
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