フェアリー詰将棋という言葉はあまり知られていません。フェアリー詰将棋とは何でしょうか?
フェアリー詰将棋の中では、ばか詰が比較的広く知られています。(「ばか」という言葉が嫌という方は「協力」と読み替えて下さい。) ばか詰が普通の詰将棋と違うのは、玉方が攻方と協力して詰みを目指すということです。下図をご覧下さい。
玉方が抵抗すれば飛車一枚ではもちろん詰むはずがありませんが、玉方が協力することにより 18飛 28飛 同飛 39玉 29飛打 までの詰みとなります。わざわざ飛車を合駒し、ただで攻方に渡すのが好手です。慣れないとなかなか思いつかない手ですが、ばか詰では頻繁に現れます。
上記の詰手順以外にも 33飛 37金 同飛成 29玉 39金 19玉 28龍 のような手順でも詰みますが、これでは7手かかっているので、不正解です。ばか詰では指定された手順より長い余詰はいくらあってもよいことになっています。5手で詰むのは先ほどの手順しかないことをご確認下さい。
ばか詰に代表されるように、普通の詰将棋からルールを変えた詰将棋をフェアリーといいます。フェアリーには、ばか詰やばか自殺詰のように目的を変えるもの、対面や安南のように場合に応じて駒の動きが変化するもの、チェスのナイトや中将棋の鳳凰のような将棋にはない動きをする駒を取り入れるもの、などがあります。(3つ目の将棋にない駒は、ここでは扱わない予定です。)
次項からは、それぞれのフェアリールールを簡単な例題を使いながら解説していきます。