対面は指将棋向きではありませんが、フェアリー詰将棋としては面白いルールです。
「敵駒と向かい合うと、互いに利きが入れ替わる」
対面の場合、詰みと思っても抵抗が残っていることがあるので注意が必要です。上図は、28金 19玉 29金打 までの詰みですが、39金 19玉 29金打 でも同様に詰みになるように見えます。しかし、それでは 28歩 と打って 29 の金を歩の動きに変換するという受けがあり、逃れます。
対面では玉の頭に駒を打っての詰みがよくある形です。玉が他の駒の動きになるため、初めは詰み形が見えにくいと思います。上は 34角 33飛 53桂 までの詰みです。初手 34角 に対して 33飛 とすると、34 の角が飛の利きになるため王手が消えます。そこで 53桂 が、桂が玉の利きになり 52 へ利くので、王手となります。一方、玉は桂の利きになるので、44 と 64 にしか逃げられませんが、両方に飛の利きをした 34角が利いています。また、33 の飛は角の利きになっているため、53 の桂を取ることができません。
背面はその名の通り対面の逆です。
「敵駒と背中合わせになったとき、互いに利きが入れ替わる」
背面でも、対面と同じような注意が必要です。上図では、31香 38玉 37桂 までの詰みです。最終手 37桂 で玉が桂の利きとなり動けなくなってしまうため、玉の利きになった桂だけで詰んでしまいます。
ここで、初手の 31香 は許されるの?と疑問に思われるかもしれません。「行き所のない駒」の扱いをどうするかは、完全に一通りに決められているわけではありませんが、普通は「動き出す可能性のある駒は許す」とします。今の場合なら、 32 に後手の駒がくれば 31香 は動き出しますから、31香 は合法的な手です。安南、背面では行き所のない駒はなく、安北、対面では2段目の桂が許されます。