新人王シカクシャーズ2003
昨年度の新人王資格者の成績をふりかえる毎年恒例のコラム。
(2002年版は「新人王シカクシャーズ2002」、2001年版は「新人王シカクシャーズ2001」、2000年版は「結成!新人王シカクシャーズ」、1999年版は「新人王シカクシャーズ1999」)
まずは新人王の投票結果をご覧いただこう。
セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
名前 | チーム | 得票数 | 名前 | チーム | 得票数 |
木佐貫 洋 | 巨人 | 135 | 和田 毅 | ダイエー | 134 |
永川 勝浩 | 広島 | 45 | |||
村田 修一 | 横浜 | 15 | |||
久保田 智之 | 阪神 | 2 | |||
該当者なし | 1 | ||||
無効 | 1 |
木佐貫、和田という大物ルーキーが1年目から活躍し、新人王に輝いた。
彼らをふくめた主な新人王資格者の成績を以下、2回にわたって載せる。
新人王の資格については文末で述べたい。
名前 | チーム | 年数 | 試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | 打席 | |||
1 | 右 | 下山 真二 | 近鉄 | 1 | 35 | 0.302 | 3 | 9 | 2 | 72 | |
2 | L | 遊 | 平野 恵一 | オリックス | 2 | 53 | 0.252 | 1 | 9 | 3 | 176 |
3 | 指 | 里崎 智也 | ロッテ | 5 | 78 | 0.319 | 8 | 39 | 0 | 253 | |
4 | 二 | 村田 修一 | 横浜 | 1 | 104 | 0.224 | 25 | 56 | 3 | 373 | |
5 | 一 | 後藤 武敏 | 西武 | 1 | 101 | 0.262 | 11 | 44 | 1 | 272 | |
6 | L | 左 | 竜太郎 | オリックス | 2 | 79 | 0.253 | 7 | 18 | 3 | 205 |
7 | 捕 | 石原 慶幸 | 広島 | 2 | 116 | 0.213 | 4 | 21 | 0 | 338 | |
8 | 三 | 中島 裕之 | 西武 | 3 | 44 | 0.258 | 4 | 11 | 1 | 98 | |
9 | L | 中 | 喜多 隆志 | ロッテ | 2 | 34 | 0.234 | 0 | 1 | 1 | 50 |
捕 | 細川 亨 | 西武 | 2 | 93 | 0.200 | 5 | 14 | 1 | 216 | ||
捕 | 野田 浩輔 | 西武 | 3 | 36 | 0.222 | 1 | 7 | 0 | 75 | ||
捕 | 前田 大輔 | オリックス | 1 | 50 | 0.279 | 1 | 8 | 2 | 68 | ||
捕 | 小田嶋 正邦 | 横浜 | 2 | 26 | 0.237 | 2 | 5 | 0 | 40 | ||
三 | 栗原 健太 | 広島 | 4 | 26 | 0.276 | 3 | 6 | 1 | 77 | ||
S | 遊 | 瑞季 | ダイエー | 4 | 25 | 0.267 | 0 | 3 | 1 | 31 | |
遊 | 野口 祥順 | ヤクルト | 4 | 51 | 0.167 | 0 | 0 | 5 | 14 | ||
L | 外 | 末永 真史 | 広島 | 4 | 18 | 0.188 | 1 | 3 | 1 | 35 | |
外 | 岡上 和典 | 広島 | 3 | 50 | 0.214 | 1 | 1 | 6 | 16 |
※・・・成績、チーム、年数(入団年数)などはすべて2003年のもの。
Lは左打ち、Sは両打ち。
4番は村田しかいないだろう。
打率は低いが、25本塁打は歴代のルーキーのうちで6番目の多さになる。
とくに9月は好調で、月間成績を.306 10本 23打点として月間MVPを獲得した。
月間10本塁打は新人の月間本塁打の新記録だ。
5番の後藤も2ケタ本塁打だ。
後藤は新人ながらライオンズの開幕四番に座った。
やけに捕手が目立つ。
3番の里崎もキャッチャーだが、打撃を生かして指名打者とした。
西武からはふたりがチーム入りした。
西武の黄金期を象徴する大捕手、伊東勤からの世代交代はうまくいっているようだ。
小田嶋は、7月18日の巨人戦で代打サヨナラ満塁本塁打を放った。
シカクシャーズのなかで最多盗塁は岡上の6個である。
岡上は2001〜03年のプロ3年間で132試合に出場し、15盗塁を決めている。
しかし、通算の打席数はいまだにわずか42にとどまる。
したがって2004年も新人王の資格があることになる。
さて、ここで新人王の資格について説明する。
新人王の資格とは、
入団5年以内で、投手は通算30投球回数以下、打者は通算60打席数以下。
外国のプロ野球に所属していた選手は対象外 というものである。
ところが今回はややこしいことがあった。
新人王有資格もマック“辞退”
オリックスのドラフト2巡目・マック鈴木投手(27)がパ新人王を“辞退”した。パ・リーグはこの日の理事会で、マックの新人王資格について討議。同投手が日本球界を経ずに米国へ渡ったため、いったんは有資格者と認めたが、マック本人が岡添球団社長を通じ、資格辞退の意向を伝えたため了承した。マックは「僕は米国でプロ経験があるし、新人王というのはプロに初めて入った人が目指す賞だと考えている。承認されてうれしい」とコメントした。パ・リーグのアグリーメントでは「外国のプロ野球機構に所属した選手は新人選手と扱われない」としているが、日本のドラフトを経て入団した選手については実行委員会でその都度、新人王の対象とするべきか否かを決めることになっている。
http://www.sponichi.co.jp/baseball/kiji/2003/02/19/10.html
というわけで、ルール上は新人王の資格があるマックだが、本人が資格を辞退するというあいまいな事態になった。
実はこの問題については、ぼくも今まで気がつかなかった。
たとえば、2002年の新人王シカクシャーズでは宮崎一彰も資格者として数えた。
宮崎は法大卒業後、アメリカ独立リーグでプレイし、ドラフト7位で巨人に入団していた(今は西武)。
彼の立場もマックとおなじだが、地味な選手だから騒ぎにもならなかった。
結局今回は、マックが新人王には程遠い成績に終わったからよかったものの、このままではそのうち揉めそうだ。
まだややこしい選手がいる。
三浦貴(巨人)である。
三浦は2000年のドラフト3位で投手として入団し、1年目から49試合登板、投球回58回と活躍した。
しかし2年目は登板わずか3試合で、3年目の2003年からは野手に転向した。
1、2年目の通算打席数は5打席だけなので、野手としては新人王資格があるといっていいのだろうか。
この問題については調べてみるつもり。
とりあえず今回のコラムでは、マック鈴木と三浦貴も新人王資格者としておく。
新人王資格を有し、かつ、2003年度に1軍の試合に出場(1試合でも)した選手は120人だった。
内訳は、野手が58人(三浦貴ふくむ)、投手が62人(マック鈴木ふくむ)である。
投手陣は次のコラムで紹介する。