複素平面と極形式(1) 
■実数直線と実平面
前節「数の分類」において代数的な数の構成法を簡単に見てきた。数を幾何学的に捉え、図示する方法を導入すれば、より視角的な議論が展開できる。
自然数、整数、有理数、実数などを直線で図示する方法はよく知られている。実数直線(real line)と呼ばれる図1のようなものである(0を基準点として原点Oで表す)。
実数直線
図1 実数直線
2つの実数直線を組み合わせ、原点Oで直交する直交座標系、実数の組(X,Y) 
を表す方法もよく知られている。実平面(realplane)と呼ばれる図2のようなもの 
である。
実平面
図2 実平面
横軸をX軸、縦軸をY軸とするXY平面で(X,Y)を点と捉え、解析幾何学を創始したデカルト(Descartes 1596-1650)の名前から、このような座標の取り方をデカルト座標とも呼ぶ。注1 

このような実平面を使えば、2元1次方程式aX+bY+c=0(a≠0またはb≠0)を直線2元2次方程式aX+bXY+cY+dX+eY+f=0(f以外の係数は同時に0でない)を二次曲線(楕円、放物線、双曲線)として捉えるなど、方程式に幾何学的な意味を与えることができる。注2

注1
一般に集合A、Bに対し、{(a,b)|a∈A,b∈B}なる集合をA×Bで表し、AとBの直積(direct product あるいは Cartesianproduct)と呼ぶ。特に、A×Aは単にAと表す。同様に、2つ以上の有限個集合の直積も定義される。 
実平面とは直交座標系を導入された、集合={(X,Y)|X,Y∈}である。
注2
aX+bY+c=0は平面における直線の一般形である。Y=mX+n(傾きm、Y切片n)というよく知られている形の直線の方程式ではX=kというY軸に平行な直線は表現できないことに注意する。
aX+bXY+cY+dX+eY+f=0が表す図形が二次曲線だけではないことも注意しておく。この右辺の二次式は(pX+qY+r)(pX+qY+r  
という一次式の積に分解できる場合がある(ただし、係数は全て実数とする)。このように多項式が多項式の積に分解できる場合を可約であるといい、できない場合既約であるという。
可約の場合、pX+qY+r=0とpX+qY+r=0は直線であり、交わったあるいは平行な二直線か、二重に重なった直線(見かけ上一直線である)を表す。既約の場合は二次曲線であり、係数の値によって楕円(もちろん円を含む)、放物線、双曲線のいずれかを表す。
複素平面
Z=a+bなる複素数はXY平面上の点P(a,b)と一対一に対応している。これから図3のように複素数を平面上の点として表す。
複数平面
図3 複数平面
X軸を実軸、Y軸を虚軸と呼び、このような平面を複数平面(complexplane)と呼ぶ。ガウスiGauss 1777-1855)が複数平面を導入したことから、これをガウス平面と呼ぶこともある。 

複素数Z=a+b絶対値(absolute value)を線分OPの長さと定め、|Z|で表す。 

三平方の定理より、

共役複素数
Z=a+bに対し、a−bをZの共役複素数(conjugatecomplex number)と呼び、で表す。明らかに、=Zであり、|Z|=||などが分かる。また、Zと 
は複素平面において、X軸に関して対称な位置にある。
 
(1999.4.10 高林廉)

 
 
 
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