ひびきの高校「部費争奪」マージャン選手権




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Chapter6 準決勝 茶道部vs電脳部「ずいぶんと下賎な上がりなのだ」

 一回戦、二回戦と難敵を倒してきた俺たちは、その後も勢いに乗って勝ち進んだ。三回戦ではサッカー部を、準々決勝ではバレー部を倒し、ついに準決勝にこまを進めた。

 茜:「さあこの「ひびきの高校部費争奪マージャン選手権」もついに準決勝を迎えます。準決勝第二試合、茶道部vs電脳部はこちら体育館からHBCと私一文字茜がお伝えいたします。解説は・・・例によって総番長さんです」

 総番長:「茜・・・そんなに他人行儀にならなくても・・・」

 茜:「さあ選手入場です。まずは茶道部チーム、平和広士、水無月琴子両名の入場です!」

 すでに五回目となった茶道部テーマソング琴の音に乗って、おれたちは登場した。

 琴子:「うるさくって琴の音が聞こえないじゃない・・・」

 茜:「つづいて電脳部チーム、伊集院メイ、三原咲乃進両名の登場です!」

 耳をつんさぐばかりのアオシスのロック音楽に乗って、伊集院メイ様とその付き人三原咲乃進の両名が登場した。

 メイ:「まったく・・・バカ騒ぎをして下賎なやからどもなのだ。」

 咲乃進:「申し訳ありませんメイ様」

 メイ:「まあよい。庶民にはお似合いの光景なのだ」

 茜:「さあ、茶道部、電脳部両チームのメンバーが登場しました。これより試合開始です!」

 俺:「・・・おい、ひびきの高校の生徒でない咲乃進が参加していいのか?」

 茜:「一応ルールブックには・・・「電脳部に限り」どちらか片方がひびきの高校の生徒であればよい、ということになっていますが・・・」

 総番長:「むぅ・・・財力の力か・・・」

 メイ:「そういうことなのだ。べつに部費などどうでもいいのだが、やるからには敗北は許されないのだ」

 俺:「なんてこったい」

 茜:「さあ仕切りなおし。伊集院メイ選手の親でゲーム開始です!」

 メイ:「咲乃進、アレを持つのだ」

 咲乃進:「かしこまりました」

 ガタン☆・・・

 「おぉぉぉぉぉーっ!!」

 俺:「何だと、ノートパソコンだと?!」

 メイ:「マージャン戦略支援エキスパートシステム、MJS‐2000なのだ」

 茜:「さあ出ました、ここまであまたの強豪を打ち破った電脳部の秘密兵器MJS-2000!この準決勝でも茶道部を打ち破るのか?!それともここまで逆転につぐ逆転で勝ち進んできた茶道部の底力がエキスパートシステムを打ち破るのか?」

 咲乃進:「若干補足いたしますと、膨大なプロ雀士の打ち筋を元にした事例ベース推論に基づく戦略支援エキスパートシステムでございます。開発言語はCommonLispでございます」

 総番長:「何のことだか俺には全く分からんな」

 琴子:「全く何を考えてるのかしら・・・」

 メイ:「まずは・・・西からなのだ」

 俺:「ニ索を捨てよう」

 咲乃進:「西でございます」

 琴子:「私は一索ね」

 メイ:「・・・六索なのだ」

 俺:「三萬だ」

 咲乃進:「六索でございます」

 琴子:「あら・・・東はいらないわ」

 メイ:「おお・・・白を捨てるのだ」

 俺:「ふふふ、七索だ」

 咲乃進:「中でございます」

 メイ:「おお、それポンなのだ!咲乃進気が利くのだ」

 咲乃進:「お褒めに預かり光栄です」

 俺:「ふっ、無駄なことを・・・東だ」

 メイ:「貴様引っかかったな、それがロンなのだ」

 俺:「なにぃっ!?いくらなんでも上がりが早すぎるぞ!?」

 メイ:「実力の差なのだ。早く5800点よこすのだ」

 茜:「あああぁっと!いきなり伊集院選手ロンだ!はやくも電脳部がリードを奪いました!」

 俺:「ちっ、まだまだこれからだ」

 しかし・・・

 メイ:「ツモなのだ。リーヅモタンヤオピンフドラ1の満貫なのだ」

 茜:「またもや伊集院選手の上がりだ!電脳部幸先よく連荘だ!!」

 メイ:「当然なのだ」

 やはりこのコンビは強敵だ。MJS-2000にしたがって打つ伊集院さんのマージャンは隙がなかった。しかも三原さんもちょうど伊集院さんが鳴きやすい牌を捨てている。見事なフォローだ。

 総番長:「なかなか厳しいな・・・」

 俺はその後方針を変えた。ここまでの高く狙うマージャンを捨て、できる限りあがることに目標を絞って打つようにした。その結果、大きな失点はなくなったがどうしても高いあがりを上がれないため、ビハインドはなかなかつまらなかった。

 茜:「さあ準決勝も南場第三局を迎えました。電脳部が序盤に大きなリードを奪いましたがその後は一進一退。現在電脳部の20000点のリードです!このまま電脳部が逃げ切るのか、それとも茶道部の大逆転はあるのか!」

 俺:「さてどうしたものか・・・」
 

  
 

 俺:「まあいい、まずは東を切ろう」

 その後4巡目に三索を引きこみ、六萬を切った。

 メイ:「ほう、貴様それを捨てたか。それをチーさせてもらうのだ」

 7巡目には一萬をツモった。ここで俺は意を決して暗刻の九筒を一枚外した。

 メイ:「???あいつの狙いが見えないのだ。エキスパートシステムの予想確率が悪くなっているのだ」

 咲乃進:「あわててはいけませんよメイ様」

 そして10巡目、二萬をツモった俺は四索を切った。

 俺:「リーチだ」

 メイ:「・・・予想確率が悪くて自信がないのだ。とりあえず四索を切るのだ」

 琴子:「六萬を切らせていただくわ」

 咲乃進:「むう・・・やむを得ませんね。東を切りましょう」

 俺:「残念、中だ」

 メイ:「たぶんこれは安心なのだ。北なのだ」

 俺:「ロン、リーチ七対子ドラ2。満貫で8000点だ」

 メイ:「な、なぜなのだ!なぜ北の単騎で待てたのだ?!」

 総番長:「北の地獄待ちか・・・」

 茜:「お兄ちゃん、地獄待ちって何?」

 総番長:「地獄待ちというのは、すでに残りが少なくなったオタ風を単騎で待つことだ。普通シュンツにならないうえに役のつかないオタ風は真っ先に捨てるからな。まさかそれで待つとは思わんから、捨ててくれる可能性が高い」

 茜:「なるほど」

 メイ:「なぜだ、なぜこうなるのだ?」

 咲乃進:「メイ様、あせってはなりません。次が最終局でまだこちらがリードです。すみやかに早上がりをして終わらせてしまえばそれでよろしいのです」

 メイ:「うむぅ・・・それはわかっておるのだが咲乃進・・・」

 茜:「さあ最終局を迎えてその差はわずか4000点!このまま電脳部逃げ切れるか?それとも茶道部が捕まえきれるか?泣いても笑ってもこの一局で全てが決まります!!」

 だが、一度狂い始めた伊集院さんの思考回路とMJS-2000はもはや自力では立てなおすことができなくなっていた。

 琴子:「・・・七索を捨てるわ」

 俺;「ポンしよう。俺は一萬を捨てる。」

 メイ:「むう・・・相手の狙いが読めないのだ!」

 咲乃進:「相手に惑わされてはいけませんメイ様。かまわず手作りを進めるのです」

 俺:「ふっ、甘いな。二萬をポンだ」

 メイ:「おかしいのだ、これはおかしいのだ!」

 咲乃進:「メイ様、落ちついてくださいませ」

 琴子:「あら、リーチだわ」

 メイ:「なにっ!もうリーチだと?!いくらなんでも早すぎるのだ」

 咲乃進:「だまされてはなりませんメイ様。こちらはまだリードがあります。安全牌を捨てて逃げるのです」

 メイ:「そ、そんなことできるはずがないのだ咲乃進!えい、六萬を捨てるのだ!」

 俺:「ロン!」

 琴子:「あら、それが上がり牌だわ」

 メイ:「・・・」

 茜:「決まったぁぁぁぁぁあっ!!茶道部大逆転だァ!」

 俺:「勝ったぜ!次はとうとう決勝戦だ!」

 琴子:「そうね。われながらよく勝ちあがってきたものだわ」

 メイ:「・・・なぜ・・・なぜ、このメイ様が庶民に負けたのだ?信じられないのだ!」

 俺:「ふっ、伊集院さん。マージャンは人間同士の熱い戦いだ。機械ごときに御しきれるものでないことは俺は良く知っている。」

 メイ:「な、なにっ?」

 俺:「確かにMJS-2000はすばらしいエキスパートシステムだ。だが、あまりに打ち筋がオーソドックス&早打ちすぎるきらいがあって相手に手のうちを読まれやすい。一見完璧に洗練されているが、それゆえに人間の敵ではないというわけだ」

 メイ:「ふっ・・・庶民もたまにはいいことをいうのだ。まったくそのとおりなのだ。機械に頼りすぎたメイがバカだったのだ」

 咲乃進:「メ、メイ様・・・」

 メイ:「咲乃進帰るのだ。今日は勝ちをあいつらに譲るのだ」

 咲乃進:「承知しましたメイ様」
 

 ・・・こうして、激戦は幕を閉じた。伊集院メイ、三原咲乃進の最強コンビを死闘の末破った茶道部チーム、平和広士、水無月琴子はついに決勝戦にこまを進めた。だが、決勝戦ではいままでの敵をしのぐ強敵の登場が予想される。果たして平和広士、水無月琴子の両名は決勝戦を勝ちぬくことができるのか?そして決勝戦の相手は?波乱ぶくみのまま次回に続く

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