黄金分割と黄金比

■黄金分割
黄金分割(golden section)と呼ばれるピタゴラス(Pytagoras 572?-492? B.C.)の発見した分割方法を紹介する。黄金分割の発見は正五角形と密接な関係を有している。
正五角形ABCDEを考え、対角線ADとBEの交点をPとする時、四角形BCDPは 
平行四辺形になる(図1参照)。注1
  
AB=CD かつ CD=BP 

∴ AB=BP 

また、二等辺三角形ABEと二等辺三角形EADは相似であるから、 

∠ABE=∠AEB=∠EAD 

∴ 三角形ABEと三角形PEAは相似である(二角相等)。 

∴ AB:PE=BE:EA 

AB=EA=BPゆえ、 

BP:PE=BE:BP
正五角形と黄金分割
図1 黄金分割を与える正五角形
  
BP:PE=BE:BPなる時、点Pは線分BEを黄金分割するといわれる。 
同様に、正五角形のどの対角線も互いを黄金分割することが分かるであろう。 
このBP:PE=BE:BPなる比は黄金比(golden ratio)と呼ばれる。
注1
一般に、四角形ABCD(対角線の交点をOとする) 平行四辺形である為の同値条件は以下の5つである。 
  
(1)AB//DC かつ AD//BC(対辺平行)
平行四辺形の性質
(2)AB=DC かつ AD=BC(対辺相等)
(3)∠A=∠C かつ ∠B=∠D(対角相等)
(4)AB//DC かつ AB=DC または、
   AD//BC かつ AD=BC
   (1組の対辺が平行かつ相等)
(5)AO=CO かつ BO=DO 
   (対角線が中点で交わる)
  
正五角形の性質から、BC//AD かつ BE//CD 
ゆえに、BC//PD かつ BP//CD 上記の条件(2)より、四角形BCDP 
は平行四辺形である。
■黄金比
以下で、黄金比がどのような比であるか求めてみよう。
  
BP:PE=BE:BPにおいて、   
BE=1 BP=X(>0)とすると、   
PE=1−X(図2参照)
 BEを黄金分割するような点P
図2 黄金比
  
X:1−X=1:X ∴ X=1−X ∴ X+X−1=0
2次方程式の根の公式より、X=(−1±√5)/2
X>0ゆえ、X=(−1+√5)/2 従って、黄金比は1:(√5−1)/2となる。
ここで、 

 {(√5+1)/2}{(√5−1)/2} 
=(√5−1)(√5+1)/4 
=(5−1)/4 
=4/4=1 

から、

(√5−1)/2と(√5+1)/2は互いの逆数であり、 
1:(√5−1)/2=(√5+1)/2:1とも黄金比は表される。注2
注2
(√5−1)/2=0.61803398……(√5+1)/2=1.61803398……
■黄金比の連分数展開
黄金比に現れる(√5−1)/2や(√5+1)/2の別表現を紹介しよう。
α=(√5+1)/2とすると、(√5−1)/2=1/α
また、(√5−1)/2=(√5+1)/2−1より、(√5−1)/2=α−1
∴ α−1=1/α ∴ α=1+1/α
αは1に自分自身の逆数を加えたものであるから、αを逐次代入してゆくと、
α=1+1/α  
 ==……
∴ (√5+1)/2=
  (√5−1)/2=
このように分母に分数が連なるものを連分数(continued fraction)という。
 
 (1999.8.27 高林廉)  
 
代数方程式の根の公式(1)
代数方程式の根の公式(2)
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