プエルトナタレス→パイネ国立公園

プエルトナタレスの町は、特にこれといって見所のない小さな町であった。
パタゴニアの中核であるパイネ国立公園へのゲートウェイとなるため町にはホテル、ツアー
会社、レストランなどが沢山あった。
宿にチェックインして、次の日パイネ国立公園へ向うバスの予約をした。
キャンプのための水や食料などと買い揃えようと、宿の主人にスーパーの場所を聞き外にでた。
夜も遅かったので、小さなスーパーしか開いていなかったが水、ワイン、ソーセージ、スパゲッティー、
ジャガイモ、ニンジン、トマトソース、チョコ、クッキーなど一通りの物は買えた。

翌朝7時にバスは宿の前まで迎えにきた。各宿に乗客を拾いに行く。バスは満席状態であった。
途中一回、バスは休憩所に寄った。ここで朝食代わりにオレンジジュースとクッキーを買って食べた。
バスの出発するのを外でまっていると、どこからか私の事を呼ぶ声がした。しかも日本語である。
空耳としか思えなかったのだが、声の方向を見るとそこにはボリビアで協力隊同期の恵子隊員の姿が
あった。驚くほどの偶然であった。彼女は別のバス会社でパイネに向う途中であった。
ろくな会話もできず、恵子隊員のバスが先の出発となり別れを告げた。
その後バスはだだっ広い平原の中を砂埃を上げて進む。
途中何度か、ダチョウの小さくなったようなニャンドゥー動物がバスに驚き平原の中を逃げていった。
パイネ国立公園に近づくいていくと、何10頭ものビクーナの群れを見ることがでいた。

  

トレッキングはペオエ湖、グレイ氷河を往復するコースにした。
広大のパンパ(平原)の中を3時間ほどあるくと川に突き当たった。
そこから起伏のある山道を登り下り2時間ほど歩くと雪をかぶった美しい山が広がった。
その下には鮮やかなグリーン色をしたペオエが広がり自分のイメージ通りのパタゴニアの景色に感動であった。
山道を下ると、ペオエ湖の湖畔で道が途切れていた。湖の水が増水して道が川になってしまったようだ。
他のトレッカー達が靴を脱ぎズボンモモまでをまくりあげて川を横断していた。
他に迂回できるコースもなかったので、私も靴とズボン脱ぎパンツ一枚になって川を渡ったのだが、その水の
冷たいのなんのといったら、氷水が浮いた冷水そのものであった。
対岸に着く頃には足の指がしびれてしまうほどであった。

冷水の中を横断

ペオエ湖の湖畔にテントを張ることにした。 
ペオエ湖の湖畔は山小屋、小さな売店、テントをはるサイトがありかなり整備されたいた。
チリのプエルトモントの市場で購入したスモークサーモンとGATO NEGROというチリワインを飲みながらの
夕食であった。日が落ち始めるとパイネはとても冷え込んできた。ジャガイモ、ニンジン、ソーセージ入り具沢
山味噌汁を飲んで冷えた体を温めた。
翌日、早朝グレイ氷河を目指し出発した。ペオエ湖からグレイ氷河までの急な登りから始まった。
途中何度も強い雨にうたれた。どんよりと曇りパイネの山々が霧に包まれ、道はぬかるみ悪条件でのトレッ
キングとなったが、途中グレイ湖を一望できる小高い丘があり、そこから湖に浮かぶ氷河の残がいが漂流して
いる景色がみれると氷河までもう少しだと気持ちがはやった。
そこからしばらく歩くと、遠くの山々の間に白い雪の固まりが見えた。グレイ氷河である。
氷河は山と山の谷間に雪崩れ込んだ雪が毎年毎年圧縮されて年輪を刻むようにしてでいる。
山の谷間から氷河をかすめて吹き付ける風は冷たく、真夏のパタゴニアではあってもその風は日本の北風の
ようだった。丘の上からグレイ氷河を見ながらクラッカー、チーズ、チョコレートで食べ腹を満たした。
この日の予定ではその日はグレイ湖の湖畔でテントを張る予定であったが、天候がすぐれなかった上に、真冬
のような北風であったためとグレイ湖を横断すうるボートが動いていないようだったのでペオエ湖までその日の
うちに引き返すことにし、ペオエ湖畔でキャンプを行った。
この日の夕食のメニューはスパゲッティー。昼間はビスケットやチョコレートといった軽食で済ませていたので、
ゆでたての麺に暖めたミートソースをかけただけのこの料理も、人生の中の感動の一食になったのであった。
翌朝、復路をたどりバスの発着する管理事務所に向った。約6時間のトレッキングであったが、ボリビアで購入
した2000円程度のビブラム底もどきのトレッキングシューズを履いていたため両足の裏には大きなマメができ
ていて一歩一歩大地を踏み締める度に足の裏を針で刺されたような激痛が走った。
こういう時のためトレッキングシューズの他にクッションのある底の厚い運動靴も一足用意しておいた方が良い
のかもとしれないと他のトレッカーを見て思いました。
プエルトナタレスに戻るバスの出発時間より20分程前に管理事務所に到着し、ジュースを飲んだり、トイレに行
ったりとのんびりしていると、乗る予定のバスが突然動き出しその中から途中トレッキングコースで挨拶をかわせ
た人達が手を振っていた。「ちょっと、待って、そのバス乗ります!!!」とバスを追いかけ飛び乗ったのだった。
しかし、10分前に出発するとは、びっくりでした。 
次バスは6時間後だったので置いていかれたらたまったものではなかった。


ブエノスアイレス (タンゴ、ボカ地区)

ブエノスアイレス→バリローチェ (ジャオジャオ半島、サイクリング、カヤック)

バリローチェ→プエルトモント (バリローチェ国立公園横断船の旅、アンヘルモの海鮮市場)

プエルトモント→プエルトナタレス (3泊4日フィヨルド地帯縦断プエルトエデン号の船の旅)

プエルトナタレス→パイネ国立公園 (パタゴニアでトレッキング、キャンプ)

プエルトナタレス→カラファテ (ペリトモレノ氷河)

カラファテ→リオガジェゴス→ウシュアイア

ウシュアイア (ハーバートン牧場、ペンギン島、フエゴ国立公園)

ウシュアイア→ブエノスアイレス経由→プエルトイグアス(イグアスの滝)

プエルトイグアス→シウダッデルエステ→アスンスオン(パラグアイ)

アスンシオン→ボリビア










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