プエルトモント |
バリローチェからは、船とバスを乗り継ぎチリのプエルトモントへ向うことにした。
移動をしながら、バリローチェ国立公園の美しい湖を観光できるこのコースは有名なルートである。
バリローチェ周辺の湖をクルージングする船は何社かあるようだが、プエルトモントまで船とバスの
コンビネーションを扱っている会社は一社だけであった。料金はバリローチェ〜プエルトモント間が
110$とかなり高いが、バリローチェから日帰りで湖を一つクルージングするツアーですら50$はす
るので、3つの湖の観光とチリまでの移動の両方ができるこのコースはアルゼンチンの物価からすれ
ば、ぼられている感じはしなかった。
コバルトグリーンの湖や花々の咲き乱れるのんびりした村、南米の富士山と呼ばれるオソルノ山
が段々と近づいて来る景色をみながら、のどかな1日であった。
途中アルゼンチンの出国審査と、チリへの入国審査があったが、簡単なチェックだけ済んだ。
入国審査官もパタゴニアらしく、カーボーイハットをかぶりボーイスカウトのような格好をしていた。
南米の富士山こと オソルノ山
約12時間後、チリのプエルトモントの町に到着。
プエルトモントは港町として有名で、ボリビアでも「プエルトモント」という歌を聴いたことがあったので
この町には興味をもっていた。
この日の宿は、バスを降りた時に声をかけてきたバス会社のスタッフの奥さんと思われる美女が、
自宅の二階の部屋を一人10$で提供しているという事で、とりあえず部屋だけ見せてもらうために
その人の家まで行った。
チリの田舎町らしい可愛らしい家で、部屋も広く清潔そのもの、シャワールームもトイレもピッカピッカで
奥さんは美女で親切そうだし、おまけに朝食まで付くという事で、そこにお世話になった。
チリ、アルゼンチンにはホスピタヘと呼ばれる家の一間を貸している民宿があり、日本で言えば民宿と
いうよりペンションのような洒落た家が多く、オススメである。
プエルトモントには、町の中心から歩いて30分ぐらいのところに漁港と市場があり、そこでは新鮮な
魚介類が食べられる。
ボリビアには海がないため、どんなにこの日が来るのを夢見たことか・・・。
早速次の日、市場のあるアンヘルモへと向った。
キングサーモンの山、色んな種類の貝、ウニの瓶詰めなど市場の周りを歩いているだけでヨダレが出た。
市場の中には小さな食堂があり、あちらこちらから呼び込みの声がかかってきた。
日本人を見ると「ウニ! 刺し身! あわび! 鍋!」などと日本語で声をかけてくる。
ここでの名物は何と言ってもクラントと呼ばれる魚介類の鍋で、サーモン、あわび、赤貝、カニの爪のよう
な見た事もない貝(これが本当にうまい)、さらにベーコンのブロック、鶏肉、きりたんぽのような歯ご
たえの食べ物が入っている。
そして私の大大大好物な、生ウニが食べられるのである。
一軒の食堂に入り早速ウニを注文した。
皿一杯にウニがでてきた。しかし通常殻から取り除かれたウニはチリではワインの瓶の中に、海水とともに
入れられているので食べてみると非常に水っぽかった。
ウニ自体の質は非常に良いのだが日本のように水分が取り除かれていないのが残念であった。
しかし、海のないボリビアでウニなど食べれる訳がなく、ウニをワサビ醤油につけて一口食べた瞬間は
南米大陸を横断したドロンズがアラスカでゴールした後に日本食を口にした時と同じ状態であった。
別の日に今度はウニを殻から割ってすぐに食べさせてくれる店を発見した。
それは生きているのだから美味いにきまっていた。
海水につけられていないので、水っぽくもないのでこの食べ方をオススメする。
ウニ、ビン一杯で10ドル程度。
プエルトモントの次の目的地はパイネ国立公園へのゲートウェイとなるプエルトナタレスであった。
私の計画していたプエルトナタレスへの入り方は二通りあり、飛行機でプンタアレーナスまで飛び、
バスでプエルトナタレスまで行く方法と、現在いるプエルトモントから船にのりプエルトナタレスまで
行く方法であった。
フィヨルド地帯を3泊4日かけて下る船の旅は、私は非常に魅力的を感じていて今回の旅を計画する
際にこの船の情報は色々と集めたのだが、船会社へ電話してもいつもつながらなかった。
チリの旅行代理店から、毎週月曜日に出発するとは聞いていたので、予約なしで直接行ってみて乗れ
るようだったら乗ろうと思っていた。
アンヘルモへ行く途中、偶然この船を運航しているNAVING社のオフィスを発見したので早速訪ねて
みた。同じ宿に泊まっていたドイツ人観光客が満席状態だと言っていたので最初からほとんどあきらめ
ていた。
オフィスの受付で聞いてみると、やはり満席ですとの答えが返ってきた。
それはそうだろうと思いがっかりしていると一等でしたらあと二人分だけスペースがありますけどという
答えが返ってきた。
しかし値段が一人400ドルという値段だったので悩んだ。ちょっと高いよなーと思いながらとりあえず
外に出て歩いた。その後葛藤が続いた、飛行機で行った場合、飛行機代でまず240ドル、3泊分の
宿泊代が浮くと考えたらその差はあまりないのではないか感じ、思い切ってこの船に乗ることにした。
船に乗って後で分かったのだが、この船は朝、昼、晩と全食事がついていたので決して贅沢な移動で
はなかった。
月曜日の午後1に港に集まって下さいという事だったので、1時に待ち合い所に行ったのだが全然
出る雰囲気ではなかった。一度アナウンスが入り、一時間半後にまた集合となったので水やら、食料を
買いに行く事にした。
その後4時頃になってようやく船に入れことができた。
乗客の100%がパイネを目指すトレッカーだった。
みんなバックパックを背負いそのままキャンプをできるような人ばかりであった。
乗船後、まずはオリエンテーションが行われた。食事の時間や、イベントについてなどについて説明され
た。英語とスペイン語の両方があり、船内はスペイン語よりも英語を話す人の方が多かった。
すっかりスペイン語の頭になっていた自分にとって英語を話そうとすると、悲しいほど言葉がでなかった。
ブエノスアイレス (タンゴ、ボカ地区)
ブエノスアイレス→バリローチェ (ジャオジャオ半島、サイクリング、カヤック)
バリローチェ→プエルトモント (バリローチェ国立公園横断船の旅、アンヘルモの海鮮市場)
プエルトモント→プエルトナタレス (3泊4日フィヨルド地帯縦断プエルトエデン号の船の旅)
プエルトナタレス→パイネ国立公園 (パタゴニアでトレッキング、キャンプ)
プエルトナタレス→カラファテ (ペリトモレノ氷河)
ウシュアイア (ハーバートン牧場、ペンギン島、フエゴ国立公園)
ウシュアイア→ブエノスアイレス経由→プエルトイグアス(イグアスの滝)
プエルトイグアス→シウダッデルエステ→アスンスオン(パラグアイ)
アスンシオン→ボリビア